時間の概念を変えて、全ての人に心地良い人生を|吉武麻子さん

TIME COORDINATE株式会社代表の吉武麻子さん。仕事のパフォーマンスをアップさせる、オリジナルのタイムコーディネート術を考案し、時間を効率よく上手に使うことで目標達成するコンサルティングを手がけています。

特に女性は、24時間365日休むことなく家事・育児・仕事に追われがち。

麻子さん自身が、韓国人の夫と結婚・妊娠・出産と自身のライフイベントに葛藤した経験から「心地良い時間を増やす」ことを様々な世代や属性の方々に推奨されています。

 

大学卒業後は会社員生活を経て、韓国に留学。そして韓国で就職し、出産と子育てで日本と韓国を行き来していました。

 

留学から10年間生活した韓国から、住まいを日本に移し、現在は4歳と6歳の娘の子育て中。そんな麻子さんに「心地良い時間を増やす」秘訣をお聞きしていきたいと思います。

 

ーー海外で働きながらの出産・子育てに不安はありませんでしたか?

そうですね、結婚した当時は、韓国の現地法人の広告のキャスティングの仕事をしていて、メインの取引先は日本だったものの、世界各国とやりとりがあったので仕事漬けの毎日でした。

夫と結婚した後に、子どもを持つことについて改めて考えました。

韓国の産休は3ヶ月しかないので、出産後にどうやって職場復帰するのか、そもそも子育てしながらまたこんなに働くの?と、子育てしながら働く未来の自分を想像することができませんでした。

唯一のママ社員と言えば、当時勤めていた会社の社長しないなかったんです。

子育て中だから時短で働くという概念はなく、職場から社員がいる中で、毎日15時に娘さんに電話していたのですが、社員の士気がそれで下がるのを感じました。

その時「私はこんなことしてまで働きたくない。働けない。」と思いました。

ーー産後に働けないと思った時に、その先の人生をどのように設計されたのでしょうか?

韓国で、同じ日本人妻で、日本と韓国を行き来しながら自分のやりたいことを仕事にしている女性がいたんです

その人と会って話してから、起業という働き方もいいかもと思い始めました

 

とは言え、当時の私は「起業=危険」だとすら思っていたので、具体的なビジョンがあったわけではありません。

 

でも子育てしながら会社員として働く自分が思い描けず、周囲から「起業が向いているんじゃない?」と言われるうちに、起業することって実は大きなリスクってないんだなと思えるようになっていました。

 

私は中学生の頃から手帳を付けていて、目標設定をしたら、そこから色々と逆算して時間の整理をするのが好きでした。

でも韓国で就職してから、気付けば仕事に忙殺される毎日で、自分が何をしたいか考える時間すらないことに気付きました。

 

そこからまずは、自分のことを考える時間を取ろうと思い、終業後の時間を見直しました。

 

当時は仕事を終わらせて退社しても、会社の電話がかかってきたら会社に戻って仕事をするのが当たり前でした。

せっかく友達と食事を楽しんでいても、電話が鳴るとプライベートから仕事モードに切り替えなくてはいけない。自分の時間が会社にコントロールされている

そんな状況を、なんとかしたいと思うようになりました。

 

とは言え、会社を辞める?起業する?と考えても、これといったビジョンはなく、教育に携わりたいという漠然と長年感じてた想いがあることを思い出しました。

教育と言っても、学校の先生のように一対大勢ではなく、一対一でじっくり関われる何かがしたいと思いました。

 

実は家庭調査官を目指していた時期があるんです。

根底にあったのは、やはり「一対一でじっくり関わりたい」という想いから。

 

でも誰かが罪を犯してからケアをする、処置的な関わりではなく、幼少期のケアをして健やかな精神状態でいられたら、そもそも悲しい犯罪は起きないんじゃないか?と考えました。

 

そこから幼少期のケアについて調べ、ベビーマッサージの資格を取りに日本に一時帰国しました。

新しいことを学ぶ楽しさはもちろんありましたが、これって私じゃなくてもいいんだなと考えた時に、これじゃないかもと思い直したんです。

 

そこからいろいろなセミナーに行く中で、「時間を仕事にしたら?」と言われた時には驚きました。

 

ーーその一言が、麻子さんのターニングポイントになったんですね。

はい、目標を決めて逆算して実行していくことは、小さい頃から好きでした。

でも時間管理を教えるのは、あまり面白くない気がしましたし、私にとっての「時間」は当たり前すぎて、仕事にしよう・仕事になるなんて考えたことがありませんでした

 

そこからは本当に手探りで、まずはカウンセリングのような、時間に関するお話を聞く機会を作るようにしました。

会社勤めのワーキングマザーのお悩みは、ちょっと話を聞いてもらってスッキリ!と満足されることが多かった印象です。

 

一方で、起業・副業している方からは「期日までにやることがあるから、お尻を叩いて欲しい!」と言われることが多く、設定した目標に向かうことは私自身が得意だったので、徐々に起業・副業をしている方向けにサービスを展開しました。

 

有り難いことにたくさんのご縁に恵まれましたが、「時間管理」を効率よく行なって、短期間で目標を達成することよりも、やることはわかっているけれど、心がついて行かない人の「生き方」にフォーカスして、自分なりの「時間」を展開して行こうと決めました。

 

心地良い時間が増えれば、人生の満足度って上がると思いませんか?

 

ーーそうですね、麻子さんは人生の満足度がどうしたら上がると思いますか?

自分の感性を大切にすることが大切だと考えているんですが、私が心地良い時間を追求するきっかけをお話しさせて下さい。

 

私は中学生の頃、楽しかったことベスト3を手帳に書いていたんです。

「え?そんなこと?」と思われるかもしれませんが、好きか・好きじゃないかを分かっているだけで時間の使い方が、自然と変わってきます。

 

好きにフォーカスすることで、気乗りしないことも楽しい未来に繋がるアクションだと思うと、気持ちが軽くなり、物事がはかどるかもしれません。

 

学生時代は勉強したくないとか、憂鬱だけれど逃げられない課題もあるので、そんな時には頑張った自分のご褒美になる予定を4つ組んでいました。

イヤイヤやるという時間から、頑張れば楽しいことが待っている!という時間になるように、自分の好き嫌いを意識することが、特に幼少期に大切だと痛感しました。

 

人生のどこを切り抜いても、最終的には好きに繋がるような工夫をすることで、日々を心地良く過ごせる気がします。

結果、私は好きなことだけをやるという体質になっているんですけどね。

 

ーー簡単そうに聞こえて、「好き」や「心地良さ」を実現するのは難しそうですね。

 

そうですね、私もクライアントさんを見ていて、そう感じます。

皆さんこれまでに、色々頑張ってきたから、頑張り癖が付いているんですよね。

 

まず最初の3ヶ月は、自分の今の在り方に気付くことで精一杯なものです。

そこから「あぁ、私って〜〜だな」と素直に認めて、どんな自分も受け止めてあげること。そして意識して行動を重ねて半年で変わっていくかな?という感覚です。

 

女性って本当に抱えているものが多いですよね。

母はこうあるべきという、社会の理想論。

自分が我慢しておけば、この場が丸くおさまるという、自己犠牲の癖。

自己犠牲は、仕事場でも家庭でもあるかもしれませんね。

そして自分のことは後回し。

余った時間で好きなことをと思っていると、そんな時間って持てないんです。

 

特にご自身でビジネスされている方は、仕事=自分になっている起業家が多いように感じます。

「好き」はストレスを生みません。

何か日常で違和感があるとすれば、自分で感情に蓋を閉めている可能性があるので、「これはずっと続けられる?」と立ち止まって考えてみて欲しいなと思います。

 

ーー麻子さんは、母・妻・自分の時間を、どのように過ごされていますか?

 

まず母としての私は、長時間一緒に過ごすのではなく、共有する時間の濃さを意識しています。

娘たちには、子どもとして接するのではなく、自分の考えを大人と同じように伝えています。

 

「失敗するのが恥ずかしい」と言った長女に対して「恥ずかしいことじゃないよ、失敗したら成功出来る」と伝えてたら、ある日長女が理解してくれていると感じた瞬間がありました。

同じ目線で、一人の立派な人間として、私自身の考えや想いをこれからも伝えて行こうと思っています。

妻としての私は、そもそも夫と考え方は違うものだと割り切っているので、お互いの話を共有する時間を設けています

夫婦喧嘩でよくあることだと思いますが、家事は誰がやるか問題。

我が家の場合は、やはり好きか・好きじゃないという感覚を大切にしています。

 

家事も細分化していくと、洗濯をするのは好きだけれど、しまうのは「好きじゃない」など、好き・好きじゃないが見えてきます。

なんだかモヤモヤしながら日々行う家事がある方は、家事の一連の作業を細分化して見て下さいね。

 

個人の私ですが、これまでは「ながら時間」で色々なことを吸収しようとしていました。

仕事・家事・育児と追われている感覚があったからかもしれません。

 

でも日常の中の心地よい時間を意識することで、緩む時間が日常においてとても大切だと実感したので、バラエティーやドラマを見たり、ビジネス書ではなく小説を読むようになりました。

 

仕事も大好きです。

でも仕事も細分化すると、苦手意識のある作業も必ずありますよね。

私の場合は苦手なこと、気が進まないことは、それが好きで得意な人にお任せしています。

 

ーー「心地良さ」「好き」この感覚を大切にされている麻子さんを見習いたいですが、なかなか難しいと感じました。

きっと「好き」を採用したくてもできないのは、心の中に何か漠然とした不安があるから、ギュッと色々なことを抱えこんでしまっているんだと思うんです。

 

そういう方はきっと、ご自身の在り方やマインドが整っていて、優秀だからこそ、色々なことがこなせるがゆえに「時間がない」となっているかもしれません。

 

気付くと「べきねば」を抱えてしまうんですよね。これを無くしましょう!なんていうのは、役割の多い女性にはなかなか難しいですよね。

 

だから私はそんな「べきねば」さえも柔軟に受け入れながら、理想とする未来の自分を描いてみて欲しいと思っています。

自分がやりたいことは何なのか、整理してみるだけでも「好き」を意識する時間が徐々に増えていくと思います。

 

 

ーークラウドファウンディング成功、監修した本が重刷と、ビジネスにおいて順風満帆ですが、今後のやりたいことをお聞かせ下さい。

より多くの人が、自分の時間をコーディネートするという視点を持って欲しいと考えています。

この考え方を広げるには、私一人の力でできることは限られています。

中小企業など仲間を抱えるリーダーや、未来を担う子ども達に、タイムコーディネートという考え方を知ってもらう機会の創出を考えています。

 

行き着く先は、全ての人に「心地良さ」を追求して欲しいという想いです。

我慢、頑張る、これが頑張っている証拠になっているように感じるんです。

自分に厳しい・欠点を直す、ここをまた頑張ってしまうんですよね。

頑張りすぎる人は、いつも正解は何かと求めてしまい、目的を解決に求めてしまう傾向にあります。

 

正解にたどり着くことも時に必要ですが、何のための人生なのか、改めて考えて実行できる人を、これからも増やしていきたいです。

 

ーー最後に、molecureの読者に向けてメッセージをお願いします。

自分が主語になっているか、折に触れて考えてみて欲しいなと思います。

家庭においては「子ども」「夫」が主語になっているのではないか、モヤモヤした時に考えてみて下さい。

相手を思いやれる優しさはとても素敵です。でもまずは自分。

自分を満たしてほしい、自分基準で考えてほしいと思っています。

 

自分がこうしたいというのを、全部伝えるのはワガママかもしれません。

でも我慢するという行動は、自分を大切にする責任放置している行動ではないでしょうか?

その姿を、子どもは見ているものです。

 

子どものためにとは言いませんが、家庭においていつも我慢するのではなく、自分がこうしたいという希望を伝えてみて下さい。

そして、家族にとっての解決策はどこか、一人で抱え込まずに家族みんなで探っていくことが大切だと考えています。

 

何かを決める際には、「自分の意思があるか」ここを考えるスタート地点にして欲しいと思います。

 

編集後記

私自身、子育てしながら働くなかで、「いかに効率良く進めるか」という視点で、スケジュールを管理していました。

麻子さんの「心地よい」「好き」を選択の軸にする考え方、どこを切り取っても「好き」に繋がるように計画することを取り入れるようになったら、人生の充実度がグッと増すと思いました。

子育てママあるあるだと思いますが、子供のため、家族のために我慢してしまうこと。

でも「我慢するという行動は、自分を大切にする責任放置」という麻子さんの言葉が、とても胸に響きました。

▼吉武麻子さんが考案された
ライフもワークも充実させたい女性が
心地よく時間を使えるための「タイムコーディネート手帳」はこちらから▼
https://time-coordinate.stores.jp/items/62bd547bd858744e2c8d758d

▼吉武麻子さんのHP▼
https://time-coordinate.com/

▼吉武麻子さんの「タイムコーディネート」を伝えるInstagram▼
https://www.instagram.com/time.coordinate