遠いどこかのことから、自分のことへ。 「わたしたち」が変えていく。環境破壊と日本の社会

思い切り遊ばせてあげられる、きれいな砂浜を増やして行きたい!

こんにちは!羽倉綾乃です。皆さんの夏はいかがでしたか?休み中に海に山にお出かけして、子供達と共に自然の素晴らしさに気がついた、そんな方もいらっしゃったかと思います。しかしよく見れば、海にも山にもプラスチックのゴミが残り、気候変動による大雨や洪水も続き、世界レベルでは、アマゾンの森林火災を始め、山火事も多発している今の地球。そんな時、未来を担う子どもたちを目の前にして感じるのは、「わたしたち【Molecule(マレキュール)】世代にも、何かできることがあるのではなだろうか」ということ。今回から環境とサステイナビリティに関して、綴って行きたいと思います。

わたしを動かしたもの

私が環境保護をうたうようになったきっかけに、これ、というものは実はありません。子供の喘息がひどくなったこと、安全な食材を確保することがとても難しかったこと、近くのスーパーがペットボトルを回収しなくなったこと、子供を裸足で泥んこになって遊ばせてあげられる場所が減ったこと。そんな小さな理由が積み重なっていった感じです。

2000年代の独身時代に住んでいたドイツでは「緑の党」が大きくなってきて、みんな環境問題の話をしていました。でも日本ではエコバッグはお土産感覚だったし、どこもかしこも昼間も電気がさんさんと点いていました。

2004年以降毎年のように、想像もしなかったレベルの台風や豪雨が日本を襲うようになって、ちょうど帰国していることが多かったわたしは、わずかながらも募金に行って「とりあえず自分のできる事」をしているふりをしていました。

でも心の中は歯がゆい気持ちでいっぱいで。どれだけ多くの募金をしようと、それは「焼け石に水」に過ぎません。確かに今生存の危機にある人たちを救えたり、当面の復興に役立つことはあるのかもしれないけれど、でも根本的な解決はそこじゃない。

私たちの今のライフスタイルそのものが気候変動を生み出しているのであり、気候変動で犠牲になっている人は、山火事や洪水、竜巻などすべての異常気象を含めたら、日本だけでなく世界規模で増え続けているのです。

わずかなお金をコンビニの募金箱に入れ、渋滞する車を見ながら「これじゃいけない」と強く思いました。

リサイクルに使われるものだと信じて疑わず、きれいに洗って出していたプラスチックやペットボトル。2017年末に中国がプラスチックゴミの輸入を拒否するまで、自分の出したゴミがどうなっているか、知りませんでした。後進国にたどり着くゴミを乗せた船は、日本だけでなく、ヨーロッパをはじめとして先進国の多くからやってきます。

汚れにくい服を作り出したら、どんどん出てきた環境問題

イタリアに住み始め、「濡れない、匂わない素材」で、忙しい女性たちを解放したいとAYANOHAKURAを立ち上げようと思った2017年秋。ブランドコンセプトを固めるべく洗濯による海洋汚染やCo2排出を調べる日々が続きました。

マイクロプラスチック、商品の廃棄、不当労働、コットンに使われる膨大な農薬とその土壌汚染。知れば知るほど、アパレル産業の環境汚染の加担は大きく、その仕組みは複雑化していました。

環境問題に立ち向かうべくアパレル事業を立ち上げる、というと不思議そうな顔をする人が大勢いましたし、ミラノに住む友人たちは、ファッション界の暗い一面もよく知っています。未来のない分野だからやめたほうが良いと、勧められることもたくさんありました。

でも一度問題を知ってしまったら、そして、そこに自分が変化を与えられると知ったら、止める事は出来ません。そして消費者の人たちもきっと、こんなジレンマを抱えているのではないか、と思うのです。環境に良い、人道的に正しい商品を選びたい。情報や不足していたり、まだまだ価格帯が高過ぎたりするかも知れない、けれど流れは完全に変わってきている。これからは私たちが「正しいこと=エシカル」を選ぶ時代です。 

AYANOHAKURAでは過剰包装を極力避けるため、商品はシルクペーパーとシールのみです。このブランドシールはバナナペーパーといって、アフリカで廃棄されるはずのバナナの皮をアップサイクルして作っています。

自分達で「壁」を壊したドイツに住み、たった一人で立ち上がった少女グレタの姿を見て

半年前に夫の転勤帯同で古巣のドイツに戻ってきました。住むのは8年ぶりになります。

昔住んでいた頃から、ペットボトルは有料だったし(飲んだ後、空の容器をお店に戻してお金を返してもらう)、買い物袋は有料でした。けれどそれがさらにぐっと進化しています。
もはや有料の買い物袋にも、プラスチックはありません。紙、ジュート(麻)の袋が置いてあります。

お野菜を包む包装もぐっと減り、パスタやシリアルも自分の容器でいれるお店が増えてきました。かさばるプラスチックに身を包んでいたシャンプーは、固形のものが増えてきましたし、生ゴミの知識、再生エネルギーの一般化、最近では飛行機をなるべく乗らないように、という試みも浸透しています。

わたしが知っている事は、思春期真只中の高校生の子だって知っているし、実践しているのです。ベジタリアンの人が多いため、お店でもレストランでもヴィーガンメニューが充実しています。

エコ対策、教育、インフラなど、いろいろな面で全くぶれず進化しているところに、この国の強さを感じます。この国の人たちは、一度は戦争によって東西に分けられてしまった国です。多くの悲劇があり、それでも自分達の手でその壁を壊して統一させた人たちです。

頻繁に何かのデモがあり、街の中心部を通りますが、自分達の意見を口に出して主張しなければいけない。そして言うだけでなく、異なる意見に耳を傾けなければいけないという文化があります。わたしはそれまで「自分の信じる事を、自分が実践する」だけでしたが、ここに住むようになって「信じることを、口に出し、発信する」ことを始めました。政治家でも著名な環境活動家でも無いわたしの言葉は、今まで届きにくかった人たちにもしかしたら届くのでは無いか、と信じています。

国は違いますが、スウエーデンのグレタ・トゥーンベリさんにも勇気をもらっています。2018年からたった一人で「気候変動問題のための学校ストライキ」と書かれたプラカードを持つ姿は、すぐに国中、ヨーロッパ中の子供の心を動かしました。最近では国連本部に行くために、燃料を使わず風力による船で大西洋を横断したことが話題になりましたね。

地元のFriday for Future(気候変動問題の為の学校ストライキ)にも親子で参加してきました。

誰のせいでもなく、「自分の選択である」ということを意識すること

国が動かない、企業が変わらない、と言うのはとても簡単で、だからこそ環境問題に立ち向かうのは最初の一歩が難しいのだと思います。

確かに日本の過剰包装一つとっても、企業の責任である事は大きいと思います。コンビニでオーガニックのもの、パーム油を使っていないものはほとんど見つかりませんし、郵便受けにはパルプ材をふんだんに利用した無駄な広告が自動的に入ってきます。

子供たちに教育を与える場である学校でも、紙のプリントが使われ、毎年ぴかぴかの教科書が配られますよね。

でもこの傾向は、鶏が先か卵が先か、と似たようなもので、企業は消費者が買うから生産するし、政治家の国民によって選ばれているわけです。どちらが先かは重要ではなく、まずは変わっていく事だと思います。

今日から、昨日とは違った選択をしていく。お金の使い道、資源の使い道。そうやって私たちの手で、世界を変えていきませんか。仕事をしながらでも子育てをしながらでも、変えられる事はたくさんあります。

じゃあ具体的にどんなことから意思を持って選択するのか、と言うお話を次回からシリーズで綴っていきたいと思います。次回はまず「意識する」からです。

①「意識する」の実践。それだけでゴミが減る!?

②「話題にする・断る」の実践:「断る」ことはもしかしたら一番ハードルが高いかも。でもここを乗り越えれば、覚悟ができる!

③ゼロウェイストの実践:ゴミが減るってこんなに楽。上級者バージョンはコンポスト。プロギングの実践:ゴミ拾いは子供達も楽しい

④少しずつヴィーガンの実践:肉食反対は動物愛護者だけじゃない

お楽しみに!

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