ヴィーガンな私とフレキシタリアンの子供たち。環境問題「家族編」

みなさま明けましておめでとうございます!年末年始、いかがお過ごしでしたか?
なるべく環境汚染の大きな原因となる長距離フライトを避けるべく、私たち家族は滞在先のドイツでスキーをして楽しむことにしました。お休みは、家庭の中で環境問題について話し合う、いいきっかけにもなりますよね。数年前までは「次世代の」環境問題でありましたが、ヨーロッパでは、環境問題対応に残された時間は十ヶ月あまりという説が有力で、もはや子供たちのためではなく、自分たちに直結した問題となりました。今回は、我が家では子供たちとどんな取り組みをしているか、ご紹介させてください。

ベジタリアンの保育園が急増。「それでも肉を食べますか?」

ドイツをはじめとして、欧州で菜食主義の子供達や教育機関が増加し続けているのには、大きく三つの理由があります。

  1. 環境破壊:アマゾンなどに代表される森林の伐採や違法な放火が続いているのは、家畜を育てるための場所を作るためです。また家畜が生み出す糞尿による水質汚染、家畜が吐き出すメタンガスによる温室効果ガスは環境破壊の大きな原因を作っています。魚も2050年には海からそのほとんどが姿を消すと言われるほど、その生態系が大きく破壊されており、そのような産業に自分は加担したくない、との理由から魚を断つ人が増えています。
  2. 健康被害:安価で大量に肉や卵を供給できるということに、私たちは健康被害のリスクという対価を払っています。抗生物質、成長ホルモン剤が代表的で、鶏は数歩歩いただけで、骨折してしまうほど、太らされます。常に食物から抗生物質を取り続けている現代人には、深刻な病気になった時、抗生物質がもはや効かない(耐性菌)などの現象が多く報告されています。最近日本ではゲノム編集された食品(遺伝子を編集された)の流通が了承されました。EUでは安全性が疑われ規制されているこの技術、日本では、「増え続ける人口に対し世界的に食糧が不足することが危ぶまれる中、とても画期的だ」として紹介されているようです。しかし欧米ではこの安全性が確立されていない技術を使う代わりに「肉食をやめて、その空いた場所や水を使って野菜を育てれば、十分なカロリーと栄養素が摂れ、飢餓への解決につながる」との考え方が一般的です。またWHO(世界保健機構)は赤肉や加工肉の発ガン性リスクを公式発表しています。保育園などの給食で菜食が増えているのは「お肉の値段が安すぎる。安全が保証されていないものを子供たちに与えるくらいなら、同じ栄養素をもつ質の高い野菜を供給したい」という考えからです。
  3. アニマル・ライツ:動物愛護の理由です。現在の畜産業には、大量の需要に応えるため、尚且つ安価で供給しなければならないため、非常に残酷なプロセスが主流になっています。ちなみに日本で、屋外に出してもらえた鶏の卵は、市場の10%ほどしか出回っていません。

私はこのような理由から、子供たちと話し合い、子供達自ら、週の半分ほどをヴィーガン食(肉・魚・卵・乳製品を除くもの)に変えていくことを選びました。学校の給食も子供たち自ら菜食のものを選んでいるようです。私は100%ヴィーガン、子供たちはその時々で臨機応変に選択する「フレキシタリアン」です週の半分はおかずも2種類作ります。最初は工夫もいりましたが、すぐに慣れますし、子供たちはヴィーガンの食事が大好きです。

子供たちに説明するにあたり、トラウマを残しうるような残酷な映像や描写は一切見せていません。ただ子供たち自らが選択する、その自由を与えました。元はお肉が大好きな息子たちでしたし、友人たちとのお付き合いでハンバーガーやピザを食べる時もあるでしょう。そこは無理に押しつけず、自分たちが納得して選択して良いと思っています。

豆類は動物性食品の代わりになる栄養素の高い食品です。写真はひよこ豆を使った中東料理のファラフェル

ゲーム感覚のゴミ拾い

 ゴミを拾うのは、純粋に地域に貢献できるというだけでなく、改めて、こんなにゴミが落ちていると気づかされる貴重な機会でもあります。動物たちがプラスチックを誤飲して命を落としているという事実に、子供たちに使命感を持ってもらうきっかけになります。海岸に行ったって、貝殻やきれいな石の代わりに、ゴミを拾えばいいのです。
自分たちだけで行くのはなんだか寂しい、という場合「P I R I K A」というアプリでは、他の人たちと繋がりながら楽しくゴミ拾いができるので、おすすめです。

散歩ついでにゴミ拾いに回ります。散歩は子供たちとゆっくり話す貴重な時間です。

自然に恵まれたドイツでも、春から夏にかけては、ミツバチやマルハナバチの死骸を毎日のように見かけました。アブラムシが出るころなので、お庭のバラなどに農薬を撒いた結果、ハチも影響を受けているのかと思います。イギリスでは、”Bee Saviour Behaviour”というNGO団体が瀕死のミツバチの非常食になる糖分を含んだカードを作り、誰もがお財布に携帯できるようになっています。

ほとんど人に危害を与えることのないミツバチや蝶の数が絶滅を危惧されるほど減ってきている、この光景を目の当たりにすることも、子供たちにとっては大きな経験となっていると思います。自分にできることはなんなのか。親も子供もいつも考えなくてはいけません。

子供に学んでほしいこと:自分の思いを声に出す。仲間を作って行動する。

9歳になる長男は、学校では「グリーン・クラブ」という名の、環境保護を学ぶクラブに入り、仲間たちと勉強しています。また何度か私と一緒に、Friday for future (グローバル気候マーチ)の地元、ハンブルグ版に参加しました。前回は遠足の途中で抜け出す形になりましたが、学校側も快く対応してくれ、先生自ら待ち合わせ場所まで息子を連れてきてくれました。この時はハンブルグ だけで10万人、ドイツ全体では140万人の参加があり、街は同じ志を持った人たちで溢れかえり、知らない人同士が笑顔で話し微笑み合う光景は、2006年、ドイツでワールドカップが開催されたときを思い出しました。まさに国民最大関心事です。

環境問題を家族で話すと、時には辛い時もあります。知れば知るほど事態は深刻ですし、貧困や格差、紛争、政治と切り離せません。畜産の現実は残酷で、大抵の子供は犬や猫を始め、動物が好きな子が多いので、さらに敏感になる部分です。
私も今まで、肉も魚も食べ続けてきましたし、自分が聖人君子になるつもりはありません。この歳になるまで、乳製品に至っては「命を奪わないからまだまし」くらいにしか思っていませんでした。牛乳を搾取することがどんなことか、牛を人工的に妊娠させること、仔牛は何を飲まされるのか。自分だって子供を産んで母乳で苦労して、わかっていたはずなのに。だから私は今、ヴィーガンの考え方や情報を発信することで、私のせめてもの罪滅ぼしになる、そんな気持ちになっているのかもしれません。

どこの断面を切り取って話すかで、モチベーションも変わってきますので、子供には
「怒り」「焦り」、「後悔」ではなく、「前向きに」「自発的に」考えられるよう、伝えていきたいです。話して伝えること、学び合うことが、いずれ社会の大きな力になると信じて。皆さんのお家でも、楽しみながら、始めてみてください。