古着をもっと活用しよう! 最先端の「子供の洋服」事情をヨーロッパから学ぶ

すぐに大きくなってしまうし、汚しやすいし、傷みやすい。子供服はどうしても長いスパンで着られません。あまりお金をかけるべきではない、と分かっていても、まだ親の選んだ物を来てくれる可愛い盛り、子供服とはいえ「消耗品」だけではないはず。今日は、サステイナブルな視点から、日本よりもずっと先進的な取り組みとして子供服の<循環>を活用しているヨーロッパの事情をお伝えします。

少なくとも7人を旅したベビー服 〜ドイツ〜

ドイツでは1歳半くらいまでは服を買ったことはありませんでした。

長男が着ているロンパースには胸に「Charlotte」と刺繍がされています。

これは友人の「Benjamin」君が「Alexnader」君からもらった物を引き継ぎました。長男が着られなくなった後は私の次男が着て、その後「彰真」君に引き継がれ、その妹ちゃんの「理沙」ちゃんに引き継がれ、花柄のロンパースは五人の男子を経て、ようやく女子が着るところとなったのです。笑

周りに妊娠を伝えると同時に、友人から次々にお古をもらいました。写真撮影やお出かけに着る服は、お祝いでもらう洋服で賄えましたし、我が家は日本へ帰国し保育園に入るまで、子供服はほとんど買ったことがありません。

ヨーロッパの保育園にはほとんど指定がありませんが、日本はパーカーや背中ボタンのものは着用禁止だったりして、新たに買い足すことが増えました。

ドイツでお古をもらうときに助かったのは、サイズ別(もしくは三ヶ月〜半年など期間別)に、きちんとたたんで袋や箱に入れてくれていることです。一度ではなく、成長が進むスピードで渡してくれたので、家が古着で溢れる、なんてこともありません。お古を渡すマナーやコツも浸透しているんだな、と実感しました。

個人的な交換や、ママグループでのお古交換会(と称したママ息抜きホームパーティー)などはもちろん盛んですし、ブランドものや状態が良いものはネットやフリマ、セカンドハンドのお店で売買も盛んです。日本でもメルカリなどで少しずつその文化は浸透しつつあるようですね。

子供服の交換でお財布が助かる、という事情も無くはないですが、それ以上に「まだ使える物を廃棄する」ことに大きな抵抗があり、昨今のアパレル産業がもたらす環境問題や人権問題に加担したくない、という意識は皆に共通しています。

子供服のお古は、まずシッターさんへ 〜北イタリア/ミラノ編〜

アイロンのきいた真っ白のコットンやリネンのシャツを着こなす子供たちは大人顔向けのファッショニスタです。

ミラノはモードのお膝下だけあって、子供服のこだわりもすごいです。

センピオーネ公園やモンタネッリ公園に行けば、雑誌を見るよりずっと正確に流行が掴めます。泥遊びには敏感なママたちも、子供が成長するスピードは止められません。自ずとお古がたくさん出るはず。

なのに・・・道の古着回収ボックスを利用している人は意外と少数派です。街のセカンドハンドのお店もドイツや北欧、オランダに比べるとほとんどありません。それはなぜでしょうか??

共働き夫婦が多い北イタリアでは、シッターさん文化が定着しています。そう、昨シーズンのモンクレールの4歳用ダウンジャケットや、スタンスミスは、いつも自分の子供がお世話になっているシッターさんの家族のもとに渡り、とても合理的に解決されます。

シッターさんがいない家庭でも、人付き合いが好きで、友人や近所とのコミュニケーションが密な国民性もあって、国や企業の回収システムに頼らず、子供服は大抵の場合、草の根で循環され、解決されていくようです。

日本の場合はどうですか?地域や共同体によってかなり差があるのではないかと思います。古着回収やリサイクルの仕方も自治体によって異なることは、リサイクルを複雑にする一因だと思っています。

ヨーロッパでは、洋服だけでなく、シーツやカーテン、靴、革製品などもリサイクルが簡単です。道にはたくさんの回収ボックスが設置されていますし、道に置いておけば誰が欲しい人がとっていく、という習慣もあるくらいです。

逆にドイツなど古着回収のリサイクル率が高い国や地域では、回収ボックスが足りません。なんと2分ごとに5トントラックがいっぱいになるくらい、古着が集まるそうです。

ファストファッションやプチプラ。そしてヨーロッパでも流行りの「断捨離」とスパーキング・ジョイ(by近藤麻里恵さん)によって、服が着られるサイクルはどんどん短くなっています。

2000年から2015年まで、世界人口は2割増えました。衣服の生産量は2倍になっています。そして服を着る回数は1/3に減少したそうです。

衣服を回収するやり方はいろいろあります。例えば

  • そのまま誰かに着てもらうこと(手渡しやオンライン販売)
  • 遠い国の、衣服を必要とする人に届ける。
  • NPO団体に寄付し、アフリカやアジアなどで、リメイクしながら販売してもらう
  • H&Mなど店頭に持っていき、状態によって細かく繊維レベルにしてリサイクルするか、リユースできるかを判断し、有効活用してもらう。
  • 日本の企業「BRING」回収プロジェクトが提携しているお店に持っていき、リサイクルに役立ててもらう。

ドイツ人が1年に購入する服は平均60着。あなたはそれより多いですか?少ないですか?思う存分おしゃれを楽しむためにも、古着の行末を考えてみませんか?

私も環境への意識からAYANOHAKURAでは『BRING』プロジェクトで回収された資源から作られた100%リサイクルTシャツを販売しております。

大人用Tシャツのメッセージは「Because Your Choice Matters(あなたの選択が大事だから)」

子供用Tシャツのメッセージは「Planet Savers(地球を守る僕たち)」

買い物一つ一つは、私たちの投票です。体に地球に社会に良い選択をする企業を応援しましょう!

参考資料

急増するファストファッションと廃棄物
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/022100119/

古着回収とアパレル 産業の闇(ドイツ語)
https://www.ndr.de/ratgeber/verbraucher/Wegwerfgesellschaft-Deutschland-Mode-Altkleider,kleidung170.html

大量の古着、いったいどこへ たどった先でみた驚きの「古着経済」
https://globe.asahi.com/article/11989591

日本環境設計『BRING』提携店舗
https://www.jeplan.co.jp/ja/bring_collection_project/

I:COグループ
https://www.ico-spirit.com/ja/partners/

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