育休を変える、わたしが変わる VOl.3 | MIRAIS代表・栗林真由美さん

2019年3月に公開した記事で「育休を新たなスタートラインに、社会全体の変革へ」と強いメッセージを発信し、大きな反響があった育休コミュ二ティ「MIRAIS」代表の栗林真由美さんの連載です。この春から育休復帰した彼女とともに、【Molecule】読者の皆さんも「育休」という期間について、今一度考える機会にしませんか。

前回の記事で私自身が過ごしたモヤモヤから抜け出したきっかけは「テーマ」を決めたことがきっかけで有意義に過ごせたこと、そして「機会」や「役割」、「仲間」が得難い育休は誰でもモヤモヤすること。ただモヤモヤすることは「変化」のサインなので、悪いことではないことを書いた。

最終回の今回は、これから「育休」がどのように変わっていくのか、こうなってほしいという私の想いも少し添えながら書いていこうと思う。

揺らぐ育休

今、「育休」は色々な意味で揺らいでいると思う。

育休者の視点で見れば、最近は育休者に特化した勉強会やボランティアやインターンなどが次々と登場し、アクティブな育休者が参加する一方で、まだまだそうした育休者はマイノリティで、育休期間は「子育て」に専念したい人からすればそうしたアクティブな人たちの活動を見てザワザワしているのではないだろうか。

またすぐに復帰したいのに、結局保育園が自分の思うタイミングで入園できず働きたいのにモヤモヤしている人もいる一方で、少しでも長く育休を取りたいと思う人もいる。

また、育休者を抱える企業としても、会社として育休者の扱い方が未だ定まっておらず、結果育休者と所属長に属人化されているといった話もよく耳にする。だから同じ会社で育休を取得していても会社と育休中の社員との距離や過ごし方は個々に異なっているケースが多い。

育休者への見方もアクティブに過ごしていることを「異質」に見られることもあり、育休中の活動一つとっても受け止め方も様々。「外」から見た育休も「中」にいる育休者の状況も育休に対するスタンスも実にバラバラで揺らいでいる状態。これが今の「育休」の実態なのではないか。

でも、私はこの状況が悪い状況だとは思わない。なぜなら変化をすることは「揺らぐ」ことだと思うから。

「あなた」はどう考える?

いつの時代も新しい価値観が生まれるときは既存の価値観との衝突は避けて通れないし、むろん新しい価値観に反対はつきものだ。衝突しながら、揺らぎながら徐々に新しい価値観が浸透する。今が過渡期ー。

だからこそ、あらゆる価値観が人種のるつぼのように混ぜこぜになる。色々な意見があって当然だし、そのどれもが否定するものではない。

むしろ過渡期の今、大事なのは「ではあなたならどう考えるのか?」という「あなた」の意見を持つことが大事だということ。ただ傍観者でいるのではなく、積極的に自分ならどう考えるのか、をしっかり考えることだ。

時に自分の意見を持つことで批判されることもあるだろう。けれど、「批判」を怖がって自分の意見を持たないことは違う。なぜなら私たちには未来を担う最愛の子どもがいるからだ。

手がかかって大変で、でも愛おしい何にもかけがえのない世界で一番大事なわが子の大切な未来を作る子どものために、たとえ反対されようとも自分の意見を持つことを恐れてはならない。

アップデートされ、次の世代へ

平成から令和へー。平成という時代においても「働き方」の選択肢が増え、「働く女性」が増え、子育てや家庭の中での役割も変化したように、「育休」もきっとこの先変わっていく。

今でこそ「男性」が育休を取ることも様々な意見がでているが、きっと未来には「ではどちらがどのくらいの期間育休をとるか?」といったことが当たり前に夫婦の中で会話される時代になるだろう。

あらゆるインフラが整備され、復職のタイミングも人それぞれになり、男性が当たり前のように育休取得するようになれば、週の半分は出社、半分は育休、などという新しい育休の取り方をする人も出てくるだろう。

加えて、それぞれが育休をきっかけに自分の人生を考え、そして自分らしい育休を過ごすことで、育休から自分の人生を切り開く人も当たり前のように出てくるのではないか。

その姿を見ることで、産育休を取ることがむしろ楽しみになり、産育休者を迎える企業側も「人」として成長した人材として扱うようになれば、もしかしたら「少子高齢化」を緩和することにに貢献するかもしれない。

平成は「育休=空白」が当たり前だった。平成の当初は「子どもを持ちながら働く」ことは相当大変だったはずだ。そのためのプラットフォームやインフラも皆無、当然周りの理解もなかった中で、それでも両立しながら働いてきた人たちがいたからこそ、今こうして育休を当たり前のように取ることができ、今では「子どもを持ちながら働く」割合の方がふえ、「ワーママ」向けのサービスがいくつも出てきた。

令和の時代は「子どもを持ちながら働く」ことはもはや当たり前になり、その当たり前からあらゆることがどんどんアップデートされる時代になるだろう。その中には「育休」も当然ある。揺らぎながらアップデートされ、そして新しい価値観になり、次の世代へと託される。

先日MIRAISが開催したセミナーの感想を見て、参加者の方からこんな感想をいただいた。

「お話を聞いて、育休がキャリアを形成するにあたり必要不可欠だったという言葉が印象的でした」

そう。令和の時代は「育休」を取得することで、あらゆる価値観に出会い、新たなチャレンジをしたり、はたまた子育てに専念することで「人」として成長できる絶好の機会なのだ。
今、私はいろんなところでこのような話をしている。

私はいつか子どもに「子どもができて育休を取ることは成長の機会だよ」と話したら「そんなの当たり前でしょ!」と言われたい。

それほどに育休を取得することが、世間も、育休者自身にもプラスになるような期間であると社会全体に認識され、親も子も子育てしやすい時代になることを心から願いながら、今日もそんな未来を目指して私にできることを全力で邁進していこうと思う。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。このような機会をいただき心より御礼申し上げます。

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https://ikukyu-community.amebaownd.com/

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