ロールモデルに囚われない型破りな私 #04 アマチュアクリエイター | 石嶋 瑞穂

WEB制作や企画書・プレゼン資料を代行するSTR企画、病気と闘う子どもたちとその家族を応援するマミーズアワーズプロジェクト主催や、その子どもたちの可愛らしさや格好良さを諦めない、トータルケアの重要性を啓蒙するチャーミングラボの運営など、多岐にわたって活躍される石嶋瑞穂さん。

3児の母であり、長男の大病や要介護の家族を経験しながら、それらの経験を糧にして「起業」という形で挑戦を続けていく、彼女の原動力とは。今月からマレキュールのライターとしても参画する石嶋さんのインタビューです。

起業は子供の入院中 「今だからやれる」

—これまでの経歴を教えていただけますか?

中学生の時に父親が蒸発し、その時から私の濃い人生が始まりました。バイトを二つ掛け持ちして夜間の大学を卒業後に就職した絵画販売の会社が壮絶ブラックで(笑)3ヶ月で退社しました。

けれども、バーテンダーのアルバイトをして培ったトーク力と人脈のおかげで、すぐにアパレルの仕事に転職し、その後も広告の世界で転職しながらステップアップをしてきました。広告業界を選んだ理由は、転職活動中に色々な企業のHPをみているうちに、「もっとここを変えたらこの企業の強みが見えるような形にできるのではないか」と気づき始めたからです。

仕事は楽しくやりがいがある中、上司からの濃いパワハラも経験しましたが、好成績を残して、スッキリ退社しました(笑)。次の転職先、製作会社の管理職に大抜擢されて、さあこれから!というところで子宮頸がんの疑いが見つかり、手術することになります。手術は成功したんですけど、ここで一旦仕事を辞め、結婚しました。

ーその後三人のお子様の育児に奮闘される中、ご長男が白血病を患ったということで、そこから起業に至るまでを教えてください。

お医者様から聞いたのが金曜日で、その週末は流石の私もすごく落ち込みました。でも入院する前の夜に、「よし、長期戦になるし、髪の毛抜けるから剃ろう!お風呂もいつ入れるか分からんから思う存分入ろう!」って息子と気合が入りました。まるでこれから出産するための入院準備をしているみたいな感じでしたね。

辛い入院生活が続く中、ある日、抗がん剤治療に必要なカテーテルを体に挿入する手術の直前になって、カテーテルを保護する布カバーを作って用意しておくよう、病院から突然言われたんです。

「えー?そんな余裕ない!」と途方にくれる私の代わりに、友人がとても素敵なカバーを作ってくれました。今まで反抗的な態度が多かった息子も、それを看護婦さんに褒めてもらってから、周りの人への態度がぐっとよくなりました。

でもここで、一つの困りごとに気が付いたんです。カテテールカバーが市販されていない、流通していないっていうことです。私も余裕がなかったけど、多分周りの人もみんなそう。だから困っている人はたくさんいるんじゃないか、そんな気持ちで、そのカバーを作ってくれた友人とカテテールカバーの販売を始めたのです。

周りからは「今、治療中なのにこんなことやるんですか?」ってちょっと批判的に言われたりもしました。でも、その時だからこそやりたかった。終わってからじゃ響かない、と思いました。

カバーだけではなく、付き添いの環境、子供の気持ちの変化、そういうことをひっくるめて全部、自分の想いがあったんです。だから色々言われたけれど、自分を貫きました(笑)。

今はカテーテルカバーだけでなく、入院している子供やその家族たちを応援するもの全般を提供しています。経験したからこそわかる、本当に役に立つお見舞い品も揃えています。 

相手によって態度を変えない、素のままの自分でいたい。

ーご家庭ではどう過ごされていますか?

子供と過ごす時間が大切なので、バランスを大事にしています。子供にとっての私は、「ママ」である前に、人であることを伝えているんです。

「お母さんだから当たり前っていうのは無いんだよ。母さんの前に私だって一人の人間なんだよ」って伝えました。それ以降、甘えがちだった子供達も、感謝するようになり、自分の意見を言えるようになってきました。

不在がちでワンオペ家事が多い中、主人にもっと家事や育児に参画するよう「要望書」なんかも書いてくれて(笑)。成長を感じますね。

仕事の場にも連れて行くことがありますが、思った以上に子供達は私を見ている気がします。自分が相手によって態度を変えたりしたら、途端に見透かされると思うので、素のままの自分でいるように心がけています。

ー同世代の女性にメッセージがあるとしたら、何を伝えたいですか?

考えてみれば、私はいつも、ものすごい「負」の状況から動き出してきました。実の父親の死や、子供の大病。そういう中で「子供の入院中になんで起業するの」とか「ただのお母さんがたまたま少し器用でできたこと」とかアンチな言葉も色々受けました。

「ただのお母さん」に関しては、言った人自身も言わば「ただのお母さん」で、どうしてこんなに自己肯定感が低いんだろう、ってすごく問題意識を感じました。だからチャーミングケアはいわゆるアピアランスケアを超えて、病気の子を支えるみんなに必要なんじゃないかって思います。

それに「ただのお母さん」に見えた私にだって、いろんな仕事や経験をしていて、「器用」になれたのも、その点が線になったからだと思います。それを子供にも周りにも見せていきたい、と思っています。

 

▼石嶋瑞穂さんの「チャーミングケア」詳細はコチラ