誰もがありのままで輝ける未来に|フードコーチ・マーシャン祥子さん

オーストラリア在住、二児の母であるマーシャん祥子さんはフードコーチ、ライフワークコーチとして活躍されています。

これまでに世界28ヶ国を旅して東京、フランス、ドミニカ共和国、スペイン、モロッコで料理人として働いた末、モロッコで国外追放警告を受けた経験もあるのだそう!オーストラリアで電撃国際結婚をするも、出産時の医療事故が原因で娘さんは脳性麻痺障害を負うことに。障害児子育てに奮闘するなか、「ありのままで生きることの大切さを伝える」ために様々なプログラムを提供されています。

人生のどん底を経験しながらも、国境を超えて多くのママのために様々な活動をする祥子さんのエネルギーの源は何かお話を伺ってみたいと思います。

祥子さんが取り組んでいることを教えて下さい。

1つ目は、フードコーチとして料理教室を開催したり、子育てを楽にするFood Therapyというプログラムを開催しています。「料理しなきゃ…」という気持ちってママ達のストレスになりますよね。心と体のバランスを整えるずぼら料理を提案しているんですが、もっと料理を楽に楽しむことを通じて完璧にしなきゃというママにありがちな思い込みから解放されてほしいと思っています。

フードセラピーは家族の食生活とライフスタイルを改善し、ママの心の在り方や家族との向き合い方に変化を起こしていくことで子育てを楽にしていくプログラムです。日々の食事や子育ての中で、イライラや義務感、罪悪感を感じているママを楽にしたいと思い、プログラムを作成しました。

2つ目は、MY GIFTという子育てに少しゆとりが出てきたママが、自分らしさや本当にやりたいことを見つけるためのセルフコーチングのプログラムを提供しています。プチ断食をはじめとしたセルフケアで自分を深い部分満たし、世界各国で活躍するゲスト講師との対談や自分と向き合う課題を通じて子育て以外に充実感を感じられるものを見つけてほしいと考えています。

3つ目は自分らしさややりたいことを見つけたママのために、家庭との調和の中でやりたいことを実現するためのサポートを提供しています。Life Work Hubといって、世界中のママが集う×学ぶ×支え合う=安心してチャレンジできる場所を設け、ワークショップを開催。またLife Work Coachingでは本当にやりたいことで収入が得られるようにコンセプト作りから商品設計、マーケティングなどありのままのその人らしさを最大限に活かせる形でサポートしています。

祥子さんの取り組みに共通していることは何でしょうか?

全てがママに特化したオンラインプログラムであることと、ありのままの姿に戻れるように作られていることです。子育てに追われて時間がない、余裕がないからイライラしてしまう、イライラする自分に自己嫌悪といった悪循環にはまってしまうことがありますよね。それは自分だけじゃない、世界中のママも同じです。私の提供するプログラムをきっかけに世界中のママがコミュニティとして繋がりサポートし合えたらいいなと考えています。

オンラインにこだわる理由は、私自身が時間と場所に縛られることがとても苦手というのが第一にあります。そしてママ達も忙しく何かに参加するのが難しい時期がありますよね。いつでもどこでも自分のタイミングで必要とするサポートが得られるようにとオンラインでプログラムを提供しています。

人生のターニングポイントはありましたか?

日本にいる間は小さな限られた世界に住んでいたように思います。日本を出たことが人生の中で大きな転機だったかもしれませんね。

そして世界を旅して結婚してからは、長女出産ですね。まさかの医療ミスで脳性麻痺障害を負い、人生最大のどん底に突き落とされました。長女をMRIに見送る時、娘が運ばれていく様子を見て「私はこの子の母であり、娘は娘であることに変わりはない」そう気付くと、人生の中で普遍的な本質のようなものが見えてきたんです。

不思議と覚悟のようなものが決まり、なにがあってもありのままの子供達を認めていこう、子供達だけでなく私自身も、そして周りに対してもそういたいと思うようになりました。

その他に苦労されたことはありますか?

我ながらパンチの効いた人生で、苦労自慢ならたいていのエピソードには負ける気がしません。驚かれるエピソードとしては、モロッコで寿司バンを運営していた際に営業許可が取れず、結果的に不法営業となって国外追放されたことでしょうか。

でもそのおかげでオーストラリアに辿り着いて今の夫と出会い電撃結婚しました。実は結婚した当時、旦那は鬱の真っ最中だったんですが、その後も双極性障害と診断されたり波乱万丈の結婚生活が待っていました。

楽ではない結婚生活ですが、だからこそ絆が深まるという部分もあるし、色んな気づきや学びをもたらしてくれているとも感じています。

夫婦関係を上手く保つ秘訣はありますか?

我が家は更新制結婚を取り入れていて、結婚記念日のように年に一度更新式があります。更新式は「また1年結婚生活を続けるのか?」と考え直す機会になっています。私にとって更新式は自分が今の結婚にどう向き合っているのか考え、自分の人生において結婚というものを自分で選択しているという認識を持つ機会となっています。

相手をコントロールしたくなる時って、嫌なエネルギーばかり消耗しますよね。意地を張るか、相手に歩み寄れるかは自分自身の問題。全ては自分次第と改めて気付けたら、今の自分の状況を伝えたり、夫婦として必要なサポートは何かお互いに考え、この先どんな風に過ごしていきたいかシェアするようにしています。お互いの「今」をアップデートする場を持つことで、夫婦関係のズレをリセットしています。

数々の苦労を乗り越えていける祥子さんの原動力は何でしょうか?

子ども達が社会に出た時に、自分は人と違って当たり前、そしてその違いが活かせるんだよということを自分の生き方を通じて見せたいと思っています。私は私、ありのままでいいんだよというメッセージを、子どもに感じてもらいたい、その気持ちが原動力になっているかもしれません。

頑張りすぎてしまうママへ

「ありのまま」を見つけるコツは?

心と体のバランスを整えることと、完璧を目指さないことの2つだと思います。体と心は繋がっているので食・ライフスタイルを整えることが大切です。例えば添加物だとか、必要以上のもの、スケジュールなどをできる限り取り除いていくと、心と体がありのままの姿に戻っていくんです。

そして「~するべき」「~しなきゃ」を捨てることですよね。完璧を目指さず正しさを求めないことが大事。。BESTではなくてその時その時でBETTERの選択を重ねていくと「私はこれ!」という自分なりのペースや感覚がわかるようになってきます。多くのママが頭を悩ませる料理は、要点を抑えてテケトー(適当)でズボラで大丈夫!

テケトー(適当)が難しいと言う完璧な人達が手を抜くためにはどうしたらいいですか?

完璧主義の人って、常に何かしなきゃいけない!と思っている場合が多いですよね。もっとできる、もっとよくなれるっていう気持ちの現われで、いつも動き続けてしまう。そこをあえて1人でダラダラしてみることが本当に大切です。

「この時間は何もしない!ダラダラする!」と決めて下さい。最初はものすごく辛いと思うんですけど、何もしなくても意外と結果は変わらなくて、意外と心にゆとりが生まれてくることに気づいたりすると思います。頭を休ませるダウンタイムは無駄な時間ではありません。「暇」と聞くとネガティブな印象が社会にはありますが、暇は時間と空間の余白があるキラキラしたものだと私は考えています。

まず週末に1時間でもいいのでダラダラしてみて下さい。~~がしたい、~~へ行きたいという自分の心の声が聞こえてくると思います。みんな~~してるから私も何かしなきゃ!と、焦る必要は全くないですよ。

人と比べないコツを教えて下さい。

人と比べてモヤモヤしたら「モヤモヤ貯金を貯めている」と思って下さい。私も娘が2歳になるまではモヤモヤ期でした。子育てに専念する時期って必ず誰にでもあると思うし、多少あがいたくらいでは上手くいかないんですよね、そんな時はモヤモヤを貯金する!って考えておくと、時間が経った時にそのモヤモヤがバネになり、後から思えば「私は誰と比べていたんだろう?」と思える日が必ず来ます!

子育てで気を付けていることがあれば教えて下さい。

自分がやらせたいことを強要せず、子どもがやりたいと思うことを尊重してあげることでしょうか。そのためには自分にも子どもにも自由な時間が必要だと感じています。自由な時間で子ども達に、楽しいと思えることを自分で探してもらっています。失敗することもあって当然で、むしろ私は子ども達に失敗して色々な経験を積んで欲しいですね。

~~しなさい、~~したら?というのは親のエゴかもしれません。発達のため、勉強のため、将来のためと色々と難しく考えて子どもに何か与えるのではなく、自由な時間と空間を与えて、自分が感じるままに楽しんでくれたらいいなと思っています。

これからのマーシャン祥子さん

注力したいこと、ご自身のミッションと捉えていることをお聞かせ下さい。

これから20~30年先、子供が大人がなっている未来では、もっと多様性のある社会になっていたらいいなと思います。みんな違って当たり前、凸凹があってもそれぞれがありのままで輝ける、そんな多様性のある社会のために今できることをしたいです。

そのためには、今子供を育てているママがありのままの子供を認めていく必要があると思うし、ママ自身もありのままの姿で人生を楽しんでいることが大切だと感じています。私は、誰もが持って生まれもったその人らしさとそれを生かした社会の役割のようなものがあると信じています。

なので自分らしくいられる生き方や働き方を見つけられるコンテンツを提供したり、同じような思いで活動していく人を増やす活動をしていきたいと思っています。

将来のビジョンをお聞かせ下さい。

私は私でいることが何より大切だと考えています。会社経営にして今の仕事を大きくしていくよりは、私の『誰もがありのままで輝ける未来を創る』というビジョンに共感してくれる人を集め、それぞれの役割で活躍できるようにしていきたい。ひとつひとつのベクトルが一つの方向に向かって大きなベクトルとなり、その結果として社会にインパクトを与えることができれば良いなと考えています。

キャリア形成に悩む女性にメッセージをお願いします。

現在の社会の中で言われる『キャリア』は、30年前くらいの男性のためにあるスタイルではないでしょうか。私たち女性は出産や子育てでキャリアを一旦お休みする時期があります。

そこでやりがいや本当にやりたいことを諦めるのではなく、むしろそういったお休み期間をチャンスに変えてこれまでにない新しい働き方を作れたらいいんじゃないかなと思っています。前例がないということを言い訳にしないで、今だからこそ叶うオンラインでの仕事の可能性や海外での働き方の多様性に注目し、一人一人が自由な発想でそれぞれにあった働き方を見つけられるといいですね。

そして人生において大事なのは、その時の流れやタイミングだと私は思っているんです。色々先回りして頭で考えすぎず、やってきた流れに気軽に乗るくらいの感覚がストレスや葛藤もなく、スムーズに事が進むと秘訣だと思います。