STAYHOME  #半径5mの暮らし方|05 羽倉綾乃 〜ドイツより〜

2020年4月7日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県に出されました。Molecule(マレキュール)として、いま、この状況下で出来ることが何なのかをずっと考えてきました。

そこで、最初のアクションとして、外出自粛の中で編集部の私たちがいま、家族や身近な人と共にどんな日々を送っているのか、1人1人のスタンスも含めて記事を通して発信することにしました。社会の様々な情報に過度に左右されすぎず、今できることを家族や自分たちで実行していくことこそが、私たちのスタンスではないかと思っています。

皆さんの半径5メートル以内の過ごし方も、この連載を通してぜひ考えるきっかけになればと思います。

今回の執筆者

羽倉綾乃
羽倉綾乃

大学卒業後に渡独。現地で勤務をしながら宝石商の資格を取得。その後広告代理店の営業職やアパレルブランドで社内通訳の経験を積む。夫のミラノ転勤をきっかけに、濡れない・シミにならない・匂いのつかない」AYANOHAKURAブランドを立ち上げる。

在宅勤務かつ在宅育児、ついイライラしてしまうことも……

現在住んでいるドイツ全土で、ほとんどの学校が休校になったのは3月16日のこと。それ以降、日中に仕事をすることが不可能に近くなりました。オンラインでの授業はあるものの、通常の授業と同じように進行するため、休み時間のタイミングに課題をこなしていく必要があり、2人の息子につきっきりになってしまったからです。

それでも最初はシッターさんに頼んでいましたが、接触する人は限りなく少なくするようにとのことで、その後は私1人で進めています。

手の空いた隙に……とメールを1通書こうとしても、その隙も与えないほどの絶え間ない「ママー!」という声。自分から1メートルも離れずに過ごそうとする子供達に、ついイライラしてしまうこともありました。

結局、昼間は割り切って彼らに付き合い、週末に仕事をしています。

自営業なので、仕事量はある程度自分で調整できますが、その分、成果や収入はダイレクトに影響を受けます。プレッシャーと不安は消えません。

もともと海外在住ながら日本市場向けに仕事をしているので、Zoomやスカイプ中心のコミュニケーションは変わらず。家の雑音を消す作業は、周りの働くママたちのアイディアを参考にしてなんとかやっています。

変化に対し子供が抱く“モヤモヤ”も尊重したい

子供達は、ときどきスカイプなどで友人とチャットをすることも。最初の1~2週間は、お友達と会えないことを寂しがっていましたが、今はこの生活に慣れたようです。

ただ大人と同じように、ポジティブになれる日もあれば、なんとなく気持ちが晴れない日や無気力になってしまう日もあるようです。同じ空間にいる分、逃げ場がないので、お互いの波長を尊重して、無理にコントロールしないようにしています。

外出制限で生まれた時間を有効活用

ドイツでは、気分転換を目的とした外出は許されている状況。なるべく外で走ったり歩いたりする時間を持つように心がけています。

瞑想やワークアウトも、子供と一緒に行う毎日の日課。基本的には子供と一緒に体を動かしているけれど、1人の時間もなんとか持つようにしています。決まった時間に起きて食べて、リズムを崩さないようにすることも有効ですね。

また、こんな時こそ「善行」を心がけることも大事です。先日、突然サプライズの花束が届きました。何かの間違いだと思ったら「大好きな友達の貴方へ」と友人のサイン。

私や子供達を心配すると同時に、地域の個人ビジネスをサポートするため、積極的にオンラインで注文しているそうです。彼女の思いやりは、私たち家族もお花屋さんも笑顔にしてくれました。

筆者撮影

イースターの先日は、やはり友人家族がそっとドアにシャンパンとチョコレートを置きにやってくれました。ドア越しに彼女達に手を振って別れたけれど、その心意気が本当に嬉しかったです。

私と子供たちはと言えば、ほぼ毎日ゴミ拾いに行きます。また近所の高齢者の方には「買い出し代行」のお手伝いできますと書いたカードも配ったりしました。

「善行」の良いところは伝播しやすいところです。親切にされた人は他の人にも親切にしようと思いますし、ゴミを拾っている姿を見れば、次からは無闇にゴミを捨てなくなると思います。友人へのサプライズワインやサプライズ花束、積極的に始めてみませんか。

状況はコントロール不可能でも、心のバランスは自分で整えていきたい

イタリアやフランスをはじめ、ヨーロッパは一足先にこのロックダウン生活を余儀なくされました。前向きになれる日もあれば、そうでない日もあります。

気分が滅入って、ついネガティブな気持ちになってしまう自分や家族の、ありのままの状態を受け入れることも必要不可欠だと思いました。

日本は、過剰な広告やアナウンスなどで、自動的に耳に入ってきてしまう情報が突出して多いのではないでしょうか。全てをシャットダウンすることは難しいですが、メディアを選定して、他の情報をミュートにすることで、気持ちが安定しやすいですよ。

最前線で戦っている医療関係者の皆様や患者さんのことを考えれば、私達が受けている制限などなんてことない。そういう指摘や意見はもっともだと思います。でもだからと言って、自分や家族が迎える今後の人生に不安を感じないわけではありませんよね。

自分で周りの状況をコントロールすることは、不可能に近い。でも、気持ちのバランスを整えるようと努力したり、状況に合わせて臨機応変な対応をしたりすることはできるはず。まずは心と身体の声を聞いて、いたわって、みんなでこの危機を乗り越えたいですね!

皆さんの「半径5m以内の暮らし方」もぜひ教えてください。

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