STAYHOME  #半径5mの暮らし方|07 森川裕美 〜韓国より〜

2020年4月7日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県に出されました。Molecule(マレキュール)として、いま、この状況下で出来ることが何なのかをずっと考えてきました。

そこで、最初のアクションとして、外出自粛の中で編集部の私たちがいま、家族や身近な人と共にどんな日々を送っているのか、1人1人のスタンスも含めて記事を通して発信することにしました。社会の様々な情報に過度に左右されすぎず、今できることを家族や自分たちで実行していくことこそが、私たちのスタンスではないかと思っています。

皆さんの半径5メートル以内の過ごし方も、この連載を通してぜひ考えるきっかけになればと思います。

今回の執筆者

森川裕美
森川裕美

ソウル在住。フリーランスの通訳案内士(英語)。日本企業2社で営業職(電子マネーインフラや求人広告売ってました)→出産を経て夫の駐在帯同でソウル生活4年→在韓中に国際大学院で修士号(韓国学)取得→帰国後、通訳案内士の仕事開始→2019年5月ふたたびソウルに引っ越し。誰もがそのひとらしく生きられる社会がいいなあと考えており、そのためにできることを模索中。

本業に大打撃も、新しいことに踏み出す「仕込み期間」に

筆者撮影

私の仕事は、フリーランスの通訳案内士です。アメリカの旅行会社と契約し、欧米圏からの旅行客のみなさんと、日本国内を2週間かけて周るツアーに帯同しています。

本来、春は年間を通していちばんの繁忙期でした。だけど、コロナの影響を受けて、アサイン済みのツアーはすべてキャンセルに……。おそらく、今、最も打撃を受けている業界・職種のひとつなんじゃないかと。現時点で秋以降のキャンセルは確定していないものの、しばらくは相当厳しい状況が続くのではないかと覚悟しています。

ツアーの仕事が大好きなので、当面できないことはとてもつらいです。当然、収入面でも大打撃。ただ、もともと昨年のソウルへの引越しを機に、現在の仕事量を調整して韓国語の勉強を再開したり、新しい仕事やボランティアを始めたいと考えたりしていたところでもありました。

今の状況は、そういう種まきをする「仕込み期間」に適したタイミングなのかもしれない。そう思って、気持ちを切り替えようとしています。

しばらくの実家生活と、帰国後の不安

筆者撮影

息子(10歳)がソウルで通う小学校は2月26日より休校となり、本来より10日間前倒しで春休みに突入しました。新学期開始は10日ほど遅らせて、4月23日からオンライン授業が始まる予定です。

出発当日の朝まで悩んだものの、3月上旬に一時帰国し、今は子供と埼玉の実家で過ごしています。帰国後、2週間は自主的に自宅待機に近い生活を送り、そろそろ外に出られるかなと思い始めていましたが、首都圏の感染拡大がより一層深刻な状況に。

そのため、もうすでに5週間近く(ソウルでの1週間を加えると6週間以上)、徒歩圏内の範囲で生活を送っています。実家では祖母、両親、愛猫が一緒でソウルの自宅より賑やかなので、息子はいつもよりちょっと長い春休み感覚でしかないらしく、思ったよりも楽しそうに過ごしてくれていて、ほっとしています。

心配なのは、ソウルに戻ってからの生活のことです。

空港での検疫、コロナ検査、そして、2週間の自主隔離。外出は一切禁止で、違反すれば罰則が科せられます。

週末は夫もいるからまだいいけれど、平日の日中は息子と2人きり。韓国のアパート(日本でいうマンション)には、極寒の冬に備え屋外のベランダがない造りの建物が多く、我が家も同様なのです。外の空気に触れたくても、ベランダには出られず窓を開けることしかできない。不安が募りますが、乗り切るために何ができるかを考えているところです。

メンタルを保つために続けていること、始めたこと

ただでさえ打たれ弱いので、2月下旬以降はいつも以上に精神的なアップダウンが激しい毎日です。

うっかりすると、わ〜っと叫びだしたくなったり、めそめそ泣きたくなったり。とはいえ、いまのところ終わりが見えないし、予想以上に長期化しそうな中、いつまでも気弱ではいられないですよね。今の状況下で、できることから日常生活をつくり直していかないと。あれこれ試行錯誤中ではありますが、心がけていることを4つまとめてみました。

1.  運動を続ける

筆者撮影

身体とメンタル維持、ストレス解消のため、定期的に運動をするようになって10年ほど経ちました。

ストレスフルな状況だからこそ、より一層大事な息抜きの時間となっています。これまではジムのスタジオレッスンに通っていたのですが、2月下旬からジム利用を控え、代わりに始めたのがとろとろペースでの軽〜いランニング。

実家近くには、桜が1,000本以上植えられている公園があります。単調な道をただ走るのは私にとってつらすぎるので、お花見を兼ねて、公園の中をランニングコースに設定しました。

歩くほうが早いんじゃないか……っていうくらいのスピードでも、走りつづけると身体がどんどん活性化する感覚があって、本当に気持ちいいです。桜のつぼみが徐々に膨らみ、咲き始めてから一気に満開になり、ピークを過ぎて若葉が出始め、葉桜になっていく。日々変わっていく桜を眺めることは、これ以上ない慰めになりました。

息子はテニススクールに通いつつ(先日ついに休業になってしまったけれど……)、公園で始めたばかりのスケボーの練習をしたり、バトミントンをしたり。

ソウルに戻ったあとの自主隔離期間に備え、室内でもできることを増やしておきたくて、新たに始めてみたのがプランクとヒップアップの30日間チャレンジです

すでに1ヶ月以上の自宅待機生活を続けている友人が勧めてくれました。30日間、1日ごとにやるべきエクササイズと回数が決められており、日が進むにつれちょっとずつ回数を増やし負荷を高めていくプログラム。

毎日「ちゃんとやっている感」が出るのと、少しずつレベルアップしていけるのが嬉しくて、継続のモチベーションになっています。ほかにもダンスエクササイズやヨガレッスンなど、楽しく気持ち良く運動を続けられそうなオンラインコンテンツを探して、息子と一緒に取り組みたいなと思っています。

筆者撮影

2.  平日の時間割とルールをざっくり決める

予定が真っ白だと、毎回、次に何するかを決めなくてはいけません。たいしたことではないように思えますが、どんなに小さなことでも何かを決めるってまあまあ心的負担がかかるもの。

メンタルが弱っているときは、それすらつらくなったりもします。そのため、あらかじめ平日の時間割とルールをざっくり決めることにしました。毎日のルーティンを持つことで、気持ちが落ち着きます。具体的に決めたのはこんなこと。

  • 早寝早起きする
  • 外出しなくても身支度を整える
  • 決まった時間に食事をとる
  • 3食のうち1回は超手抜き、1回は息子メインで作る
  • 午前中は頭、午後は身体を動かすことをする
  • 自由に過ごす時間も確保

精神的に参っているときでもできるぐらい、少しゆるめに設定するのが継続のコツ。

一方で、週末は朝寝坊したりパジャマのまま思う存分だらだらしたり、好きなように過ごすと決めています。ソウルに戻って以降の時間割は息子とも相談して、一緒に作り直す予定です。

3. 家族以外の人ともコミュニケーションを

SkypeやZoomを活用して、友人たちとのコミュニケーションもとるようにしています。1対1でじっくり話すのも、大人数でわいわい賑やかにおしゃべりするのも、どちらも楽しいです。

息子もお友達とチャットしたり、描いた絵を見せ合ったり、ビデオ通話を楽しんだり。お友達何人かとZoom勉強会をするのがはかどっていいらしいと聞いたので、今度息子にも勧めてみようかな。

半年ほど前に始めた息子のオンラインでの習い事も、単調になりがちな生活のいいアクセントになります。私も、コミュニティセンターの外国人居住者向け韓国語講座がオンラインに切り替わると聞き、早速申し込みました。

ずっと家の中で、家族だけとのコミュニケーションでは気持ちが行き詰ってしまうときもあるので、外の世界との繋がりを大切にしていきたいですね。

4. やりたいことリストをつくり、妄想して楽しむ

勉強しなくてはいけない試験前夜のように、ほかのことを我慢しなくてはならない状況になると、決まってやりたいことがむくむくと湧いてくる。

そんなときはかたっぱしからノートに書き溜め、外出できるようになったらやりたいことリストをつくっておきます。中国内陸とウズベキスタンへの旅行、中国語を習いに行く、台湾プチ留学、韓国国内旅行、ジムのレッスンとサウナ、銭湯で垢すり、美術館に映画館、演劇やコンサート、外食にお買い物。やりたいことを妄想しているだけでも、楽しい気持ちになってきます。

今だからこその気づき・学びを大切に

筆者撮影

世の中全体に閉塞感が漂う中、メンタルがやられないように気を付けている一方で、今だからこそ気づけることもたくさんあります。

自分たちの日常生活が、いろいろなインフラやそこで働いている人たちに支えられ成り立っているものだということを。いつか事態が収束しても、自分が当たり前に享受している日常生活が、簡単には得られない人たちの存在を(乙武洋匡さんが44歳の誕生日に寄せて書かれたnoteの文章、一読をお勧めしたい)。

大勢の人の命が失われている今、命よりも経済を優先するリーダーもいれば、弱い立場の人たちに心を寄せ、命を守ろうとするリーダーもいることも。

こんなにもつらいニュースを日々目にしなくてはいけないのだから、意地でもここから学びを得て、行動に繋げていかなくては、と思います。

最後に、最前線で治療にあたってくださっている医療関係の方々、私たちが生活を維持できるようお仕事してくださっている方々、子供たちの安全と学びを守ろうと奮闘してくださっている教育関係の方々への、最大限の感謝と敬意を。治療中の方々の1日も早いご回復もお祈りしています。

皆さんの「半径5m以内の暮らし方」もぜひ教えてください。

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