浜田歩さん:旦那さんと小1の娘さんの3人家族。お家にはよくコーディネーターとして関わっている大学生たちが遊びにきて皆でワイワイ過ごしているそうです。大学在学中に結婚・妊娠。社会人一年目は、生まれたばかりの我が子と離れて単身アメリカへ。現在は、女性活躍推進事業や育ボスブートキャンプなどでも有名なスリール株式会社にて、コーディネーターとして大学生のキャリア教育を推進されている浜田歩さん。この春、小1になった長女を育てながら、東京工業大学のスタートアップデザインコースに参加されたり、1ヶ月の休暇をとって海外スタートアップ事業へ参画されたり、ものすごくアクティブなワーママ。一体、どこにそんなエネルギーを秘めているのでしょうか。 子育て世代にとって、「自分軸の活動に割く時間」を捻出すること自体が、まだまだ難しい社会ですよね。今回は、【Molecule(マレキュール)】読者の皆さんにとって、きっと目から鱗な情報満載の、浜田流★本業外活動のモチベーションの源泉に迫ります。学生結婚・出産の経験から築かれた自分軸のキャリア感フロリダのディズニー・ワールドでの1年間は、浜田さんの人生の大きな岐路「実は、大学3年の冬、就活の最終面接で妊娠発覚が発覚したんです。内定後に人事へ相談したところ、子供を置いてアメリカに来れるなら、是非採用したいと言ってもらいました。生後半年の子供を置いて渡米するのは、私にとってもすごく大きなチャレンジでしたね。」浜田さんが新卒で入社したのは、米国三越 株式会社。同社は、12〜13ヶ月の有期雇用の形態で、米フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド内の日本館で働く『CRプログラム』というユニークな採用を実施しているそうです。内定者は、フロリダで1年間勤務することが前提となるため、子供と過ごすことを選んで内定を辞退するか、当時の浜田さんはすごく悩んだと言います。そんな浜田さんの背中を押してくれたのは、旦那さんとご両親。母として、生まれてくる赤ちゃんのそばにいたいと思うのは当然だと思いますが、「この内定も、もしかしたら一生に一度の機会かもしれない。赤ちゃんは私たちに任せて、行っておいで!」と、家族の熱いサポートが得られたことで、渡米を決意することができたんだそうです。「新卒入社時にすでに子供がいるって、周りのみんなに比べたら”ライフ”がすごく進んじゃっている状態ですよね。だから、ライフとキャリアの両立で悩むよりは、自分のキャリアをどのように築いていくのかを、かなり早い段階で意識していたように今振り返ると思います。」なるほどー!!浜田さんは、筆者(森田亜矢子)よりも一回り以上もお若いのですが、人間としての「しっかり感」がすごく高くて年齢差を感じさせない方。浜田さんの社会人スタートアップ期のエピソードをお伺いして、その理由が分かったような気がしました。浜田さんは、20歳前半の時に、「30歳になった時、どんな自分になっていたいか?」ということを意識しながらキャリア選択を行ってきたそうです。私自身が就職活動をしていた頃は、”ライフ”も”キャリア”も明確なビジョンは何も持っていなかったし、もっと言うと「30歳の時の自分」「40歳の時の自分」なんて1ミリも想像できていなかったと振り返ります。だからこそ私は、実際に30歳を過ぎてから、”ライフ”にも”キャリア”にも、ひどくモヤモヤしたのかもしれないですね。(苦笑)さてさて。アメリカでのプログラムを満了し帰国した浜田さん。その後は日本企業で正社員として働きながら、定期的に「本業以外」の活動をされています。昨年は、本業を1ヶ月間休職して、単身ベトナムへ行ったそうです。「どんな経緯でそうなったの?」と興味が止まりません!一つの組織の中で固定化する自分の引き出しを「本業外活動」で増やしたい「大学生向けに海外でビジネスのスタートアップを体験する武者修行プログラムというのがありまして、数年前からそのプログラムを知っていました。私のファーストキャリアが海外だったこともあって、海外での仕事への興味も再燃する中、同プログラムに関わっている知り合いに、キャリアの相談をして見たんですよね。そしたら、現地で武者修行の学生コーディネーターをやってみない?と声をかけていただいたのがきっかけです。」浜田さんは、本業(スリール株式会社)の中でも、大学生のコーディネーターをされているので業務としては似ていたのかもしれません。しかし、同じような業務であっても、別の組織で経験することは全く違う価値につながるそうです。会社という一つの組織の中にいて、みんなが同じゴールを目指していると、どうしても思考パターンは同質化しやすいと言います。何かに悩んだりつまづいたりした時に、自社の中だけでは、なかなかブレイクスルーできないこともある。でも、一歩、会社を出て、全然違うゴールを目指している人たちの思考に接することで、新たな視点や手法を手に入れることができるそうです。浜田さんにとって、「本業外活動」は、「自分の思考の引き出しを増やすための手段」だと言います。ベトナムでの1ヶ月間の「本業外活動」は、浜田さんの中の”海外で働きたい熱”と、”引き出しを増やしたい熱”の両方を叶えてくれるプランだったようです。それを支えてくれたのは、又しても旦那さんとご実家のサポートだったんだとか(笑)。「生後半年で、パパのワンオペ(おじいちゃん・おばあちゃんのサポート付きですが)ができた経験があるので、旦那さんは快く賛同してくれました。私の1ヶ月間の滞在のうち、前半2週間はパパが有給をとって娘と一緒にベトナムに来て、ベトナム観光なんかをしながら楽しそうに過ごしていましたよ〜!」父子を残して、ママは単身海外で複業…って、言葉だけ見ると二度見、三度見してしまうような内容ですが、本業・複業の垣根を超えた「どんな経験を通じてどんなキャリアを作っていきたいか」ということに寄り添えるパートナーシップ、素晴らしいと感じました。(そして、羨ましいっ!!!笑)この春、娘さんが小学校に入学されて、いわゆる「小1の壁」にぶち当たっている最中の浜田さん。今年は、一旦、立ち止まって、自分のこれからのキャリアを再設計してみる期間に充てたいと考えているそうです。まだ20代後半の浜田さん。40歳の私に比べると、転職に対するネガティブ意識はほとんどない世代だと感じます。昨今、キャリアは「本業」だけで築かれるものではなくなってきています。複業やボランティアなど、様々な「本業外活動」がとても重要なんだと気付かされました。Molecule(マレキュール)の読者の皆さんも、ぜひ「本業外活動」にも足を踏み出してみませんか?人生を変える ベトナムでの2週間 海外ビジネス武者修行プログラム