目の前の仕事と子育てに追われている中で、未来=数日後にしか思考が及ばなくなり、いつしか自分にとってワクワクする5年後、10年後の未来は見えなくなってしまった…そんな渦中にいる【Molecule(マレキュール)】読者の方も多いのではないでしょうか。本日から連載スタートする未来思考プランナーの横田麻里子さんは、「人生計画が趣味」と言うほど、二児を育て、働きながら思考は遠い未来にまで及んでいるのです。彼女の脳内を垣間見ることで、ワクワクする未来の作り方・考え方のヒントをもらえるかもしれません。未来思考プランナーの原点「今日も充実した1日だった!明日も待ち遠しいなー!」 そんなふうに毎日をワクワクしながら過ごせたら素敵だと思いませんか? 私は根っからのポジティブ人間ではなく、どちらかといえば心配性。考えても仕方のないことをモヤモヤ考えたり、くよくよ落ち込んだり…。でも、「1度きりの人生、楽しまないともったいない!」そう思い、暗い気持ちになりそうなときは、ポジティブ思考に変換して考えるようにしています。「半分しかできなかった…」と落ち込むのではなく、「半分できた!」と前向きにとらえる。 何事もポジティブに変換する習慣のおかげで、フットワーク軽く行動できるようになりました。「何かいいこと起きないかなー」と受け身で構えるのではなく、目指したい未来に向かって主体的に一歩を踏み出す。このように自分の人生の舵を自らがとることで、ワクワクする未来がきりひらけると思うのです。この連載コラムでは「未来をきりひらく人生計画」と題し、未来思考プランナーとしての私の考え方や経験をお伝えします。「ワクワクする未来」とは何か…育児や仕事に追われていると日々をこなすことに精一杯になってしまいがちですが、「自分はどのような人生を送りたいのか」「自分は何にワクワクするのか」。立ち止まって自分自身と対話しながら「人生計画」を考える時間をつくることで、「自分らしさ」が見えてくるかもしれません。 意外と自分で自分のことは分かっていないものです。私自身も葛藤しながら模索する毎日です。 あなたの人生の主役は、あなた自身。100年時代といわれる今、あらゆる場面で選択肢が本当に多いなと感じます。もちろん正解はないのですが、あなたの人生の主人公であるあなた自身が納得しながら歩んでいくことが何よりも大切なのだと思います。 このコラムが、あなたが前向きに未来について考えるきっかけになったら、これ以上嬉しいことはありません。人生の最期を迎えるとき、どんな気持ちでいたいのか周りからはちょっと変わってると言われますが、私の趣味は「人生計画」です。きっかけは4歳の頃にさかのぼります。ある日 友だちから手相を見てあげると言われ、「まりちゃん16歳で死ぬよ」と言われたんです。突然すぎるまさかの余命宣告。そのことがきっかけで「死」を強烈に認識しました。 その時のことは、過去のインタビュー記事 でも触れています。自分がこの世からいなくなったあとのことを考えるのは、恐怖でしかありませんでした。 母にそのことを話したら 「人間いつ死ぬかなんて誰にもわからない。突然明日死んでしまうかもしれない。だから毎日を一生懸命生きないとね」と言われました。そこから私は、後悔しない人生を送るように常に意識するようになりました。実際の16歳の誕生日は何事もなく過ぎ、学校も会社もほぼ皆勤賞で現在も問題なく元気に過ごしていますが(笑)。しかし、その後も自分の人生について深く考える習慣は続きました。 「生きていることは当たり前ではない。感謝しながら毎日を大切に過ごさないといけない。」私は自分が人生の最期を迎えるとき、どんな気持ちでいたいのか。 「よく頑張った!充実した人生だった!幸せだった!」心からそう思いたい。そのためには、どういう状態を目指すのか。私が幸せだと思うことは、 「愛する家族がいて、みんなが心身ともに健康でハッピーであること。」 「信頼できる友達や応援しあえる仲間がいること。」 「自分が天職だと思う仕事で世の中に貢献できていること。」 「ああ、やっぱりあのときこうしていればよかった」と後悔はしたくない。このように、自分が目指したい人生をイメージして逆算して考えることで、日常の意識が変わります。具体的な目標をもつことで、興味のアンテナが常に目指す方向に向くため、必要な情報やチャンスが集まってくるのです。日々の「選択」と「行動」が未来をつくる私のモットーは【一期一会】。 人との出会いやご縁をとても大切に考えています。私は1人でいるよりも誰かと思いや経験を共有することに喜びを感じますし、人との出会いが自分の人生をも変えると思うからです。 そのため、自分が相手にできることは全力でしたいと考えています。おおげさなことではなく、おすすめのお店を見つけたら教えてあげたいし、素敵な情報があれば紹介したい。悩んでいたら相談にのりたいし、私に出来ることがあれば応援したい。毎日の挨拶を大切にしたり、常に笑顔を心がけていたりするのもそのためです。私はありがたいことに昔から人に恵まれ、周りには素敵な人たちがたくさんいます。どの出会いも運命だと思っていますが、自分がずっと家にいたら出会えなかった人たちばかりです。小さいころは「いつか白馬に乗った王子様が迎えに来る」と思っていましたが、迎えに来てくれる保証はないことにやがて気付きました(笑)。迎えに来るのを待つのではなく、「どんな人が自分にとって理想なのか」を考え、「その人にふさわしい人になるためには自分はどんな状態を目指すか」を明確にして王子様を探したほうが早いかもしれません。勇気をもって踏み出す一歩が、未来をきりひらく鍵になると思うのです。ちなみに私は学生時代から「理想の人は将来結婚して幸せな家庭を築ける誠実な人」だと思っており、初めてお付き合いしたのが今の夫です。お互いに「付き合う=結婚」と考える今どきめずらしい古風な運命の相手でした(笑)家族になってお互いが身近な存在になればなるほど「当たり前の存在」だと思ってしまいがちですが、お互いに日々感謝の気持ちを伝えるようにしています。毎日の「対話」が何よりも大切だと思うからです。また、どんなに忙しい朝でも、「いってらっしゃい」「いってきます」と笑顔で挨拶をしています。 人生何が起きるか分かりません。未来を予測することはできませんが、「選択」と「行動」は自分で決めることができるのです。自分の直感を信じるとうまくいく私は物事を選択するときに自分の直感を信じるようにしています。 明確な根拠はなくてもピンとくるときは、頭であれこれ考えず直感に従います。たとえば、学生時代に青春をささげたハンドベル部や合唱サークル。どちらも初めて演奏を聴いたときに、なんとなくピンときて入部を決めました。モンゴル取材に同行できるチャンスを突然いただいたときもピンときて、「これは何としてでも行かなくては!」と思い同行を決意しました。ちなみに、夫と出会ったときもビビッときました(笑)この「なんとなくピンとくる」の正体とは何か。 私が直感を信じて選択する基準を考えると「自分が大切にしたい価値観」がみえてきました。私の判断基準は、「ワクワクするか」だと気がつきました。 ワクワクする選択をすることで、自分がごきげんな状態でいられます。「私が毎日ごきげんな状態で心穏やかに笑顔で過ごすこと」が、家族や周囲のハッピーにもつながると思うからです。しかし、私は最初から「自分のワクワク」を大切にできる性格ではありませんでした。 どちらかといえば自分の言いたいことは言えなかった幼少期。自分が我慢してでも物事を円満に解決したいタイプ。でも、自分の気持ちに蓋をし続けるとストレスやモヤモヤがたまっていくんですよね。 「やっぱり、やりたくない」「なんで自分ばっかり…」など。それは結果的に自分も周りも不幸せだと思い、自分の気持ちに素直に生きようと心がけるようになりました。ワクワクする直感を信じて選択・行動することで、日々を前向きに楽しめるようになりました。先日4歳の娘に「家族みんなが元気で幸せね~」としみじみ言われました。私の口癖なので思わずくすっとしてしまいましたが、心があたたかくなりました。子育てにおいて、自分の心に余裕を持つことはとても重要だと思います。子どものことをコントロールしようとしてしまうと、イライラしてしまうかもしれません。しかし、子どもの人生の主役は子ども自身。あくまで親は応援団だと思っています。私たち親は過去の経験から色々と手や口を出したくなってしまいますが、大切なのは「笑顔のお母さんが優しく見守っていること」なのかもしれません。 「いい妻でいなくては。」 「立派なお母さんにならなくちゃ。」 とやりたいことを我慢して自分を苦しめてしまうよりも、あなた自身も心から好きなことをやって「ごきげんママ」としてニコニコ過ごすことが大切なのだと思います。わかったようなことを書いてしまいましたが、私は自分が心からやりたいことがわからず長い間モヤモヤ悩み続けていました。そんなとき、突如おとずれた「片づけたい」願望。その後ひたすらモノの取捨選択をすることになるのですが、その整理収納こそが、モヤモヤから脱出できた鍵となるのです。 次回は、「整えることで見えてきた自分がやりたいこと」をお届けします。