目の前の仕事と子育てに追われている中で、未来=数日後にしか思考が及ばなくなり、いつしか自分にとってワクワクする5年後、10年後の未来は見えなくなってしまった…そんな渦中にいる【Molecule(マレキュール)】読者の方も多いのではないでしょうか。未来思考プランナーの横田麻里子さんは、「人生計画が趣味」と言うほど、二児を育て、働きながら思考は遠い未来にまで及んでいるのです。彼女の脳内を本連載から垣間見ることで、ワクワクする未来の作り方・考え方のヒントをもらえるかもしれません。挑戦前に必要だった助走期間「あなたが心からやりたいことは何ですか?」 そう聞かれて、明確に答えられる人は多くはないかもしれません。かつての私も自分で自分のことがわからず、日々モヤモヤ。「自分が本当にしたいことは?」 「自分が得意なことは?」 「自分は、どのようになりたいのか?」 「自分が役に立てることは何だろう?」 育休期間中、本当にやりたいと思えることを見つけるために、前回の記事で書いたように、まずは家中を整えました。環境を徹底的に整えたことで分かってきた私のモヤモヤの正体。それは、目指す方向性がわからないことに対して、何も行動できていないことだと気づきました。目標を見つけてからは育休ボランティアや育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)の活動など全力で爆走する日々になるのですが、そこにたどり着くまでには、さらに自己分析の時間が必要でした。今回は、その準備期間を卒業し、行動を起こせるようになったきっかけ「一歩を踏み出せた勇気」をお届けします。答えは自分の心の中にある「自分の目指す方向性とは?」 その答えを見つけるべく、2人目の育休中に自己分析に没頭する日々。「考える前に動け」とも言いますが、私の場合は目標を設定することで思い切り走れるタイプ。石橋を叩いて叩いて叩いて…目標が見えたらあとは全力疾走!これまでの人生をじっくり振り返り、今までの経験や自分の気持ちを棚卸しながら自分と対話し続けました。「自分の強みを把握して活かしたほうがいいよ」と夫から勧められた「ストレングスファインダー®」も受講。「ストレングスファインダー」とは、米国ギャラップ社が開発した強みを発見する「才能診断」ツール。Webサイト上で150以上の質問に回答することによって、34種類の資質のうち、その人が持つ資質トップ5が分かるというもの。ここでの「才能」の定義は、 『無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン』。つまり、自分の考え方、感じ方、行動の「特徴」そのものが「才能=強みの元」だというのです。▼私がストレングスファインダーで診断された上位資質(TOP5)は以下のとおり。コミュニケーション(影響力)社交性(影響力)ポジティブ(人間関係構築力)未来志向(戦略的思考力)最上志向(影響力)我ながら「かたよってるなー!笑」と思いますが、とても納得する結果でした。 私は小さいころから話すことが大好き。人との出会いが元気の源。また、作文や読書感想文など、自分の経験や思いを伝える文章を書くのも得意なほうでした。自分の言葉にも相手の言葉にも敏感で「これ【で】いい」なのか「これ【が】いい」なのか等、子どもの頃から言葉の使い方にも気を付けていました。「コミュニケーション®」は、言葉で人を納得させる影響力の資質。言葉が持つ力を最大限に引き出すことで、人の心を揺り動かし、人を導くことができる。 プレゼンやスピーチを褒めていただくことはよくありましたが、社会人になると自分の課題点のほうにばかり目が行きがちでした。ストレングスファインダーを受講したことで客観的に自分の強みを自覚することができたのはとても大きな進歩。 「自分の強みを活かせる場を持ちたい」 「十分インプットはしてきたから、アウトプットしていきたい」 「もっと多くの人と出会い、自分の世界を広げたい」 「誰かと思いを共有し、言葉の力で相手を感動させ、未来について前向きに考えるお手伝いをしたい」 自分の強みを把握できたことで、自分がやりたいことが徐々に見えてきました。ちなみに、夫の資質トップ5は34種類の資質のうち共通するものは1つもありませんでした。私たち夫婦は、「似た者夫婦」というよりは「相互補完型の夫婦」。もちろん大切にしている価値観は共通していますが、お互いにないものを補い合うことでバランスがとれているのかもしれません。必要だったのは「覚悟を決めること」転機となったのは、自己分析の一環として受けたコーチング。 自分がやりたいことがまだ明確でなかった私は、「あなたに向いていることはコレ!」と誰かに言ってもらいたかったのかもしれません。しかし、コーチングは答えを教えてくれるわけではありません。 コーチと対話を重ねて様々な質問を受けることで、自分の思考を整理していきます。そして、気づきをもらい、本当の気持ちを引き出されることで前に進むことができるのです。 「あとは、麻里子さんの覚悟だけですね。」 コーチングを受けてハッとさせられたこと。その言葉が妙に心に突き刺さりました。自分でも気づき始めていたこと。自分の考えや経験を伝えることで、モヤモヤしている人を前向きにするお手伝いをしたい。特に、子育て世代、育児と仕事の両立を頑張るママ・パパたちを笑顔にしたい。「女性支援」「子育て支援」「ワーママ支援」という自分が大切にしたい軸を見つけました。ただ、自分で何かを発信するということに自信が持てませんでした。正確にいうと、自分の顔と名前を出して何かを発信する勇気がなかった。目立つことをして誰かに何か言われるかもしれないと勝手に人の目を気にしていました。でも、自分の人生の責任をとることができるのは自分だけ! 誰かに批判されるかもしれないと悩むよりも、私の言葉を必要としてくれる人の役に立てるのであれば自分のエネルギーを注ぎたい! 自分の目指す方向性が明確になった瞬間でした。「絶対にやったほうがいいよ!」と夫が応援してくれたことも自信になりました。「覚悟を決めること」は、「自分の選択・決断に責任を持つこと」。やると決めたからには、「どうしよう…」と悩むのではなく「じゃあ、どうするか」と1歩を踏み出し続ける。そうすることで、未来がきりひらけると思うのです。長かった準備期間もようやく卒業! 高いジャンプをするためには、この助走期間が必要でした。その後は全力疾走! 初めの一歩として、育休ママ向けのボランティアでワーママ支援を軸としたライターを始めました。そのことがきっかけで、ワーママ交流会のファシリテーターやイベントの企画・運営・司会、新聞や雑誌のインタビュー、「未来をきりひらく人生計画講座」の開講、【Molecule(マレキュール)】の連載コラム担当など思いもよらなかった数多くのチャンスをいただくことになるのです。次回は、「世界を一気に広げたボランティア活動」をお届けします。横田さんの関連記事はこちらhttps://molecule.news/stories/life-plan-1/ https://molecule.news/stories/life-plan-2/ https://molecule.news/stories/mariko-yokota/