水緒さん | サービス業・会計事務所などを経て、出産を機に退職。 2012年、Webデザインに出会う。 デザイン職は天職だと感じ、30歳でWebデザイナーになる。 上場企業にて4年ほど就業後、こどもにほほえむ余裕がない育児に疑問を感じ、フリーランスに。2018年12月法人化。 現在Webデザインを中心に、紙のデザイン、ブランディング、ディレクション、解析、イラスト、動画制作など幅広く活動中。「フリーランス」「起業」というワードに興味のあるMolecule(マレキュール)読者も多いのではないでしょうか?とあるオンラインサロンがきっかけで出会った水緒さん。WEBデザイナーとして活躍し、「起業しようかな」と話していたかと思えばスピーディーに起業に関する手続きを完了!活躍の幅をみるみる広げていくフットワークの軽さに、新しいことにチャレンジする水緒さんのパワーの源は何なのか気になり、インタビューさせてもらいました。でも実は、WEBデザイナーが天職と気付いたのは出産後の30代になってから、というのだから驚きです。そこで今回は、水緒さんの「わたしの天職」を見つけるまでのストーリーにフォーカスしてお届けします。暗黒時代の20代を抜け出したきっかけは「学び直し」フラフラと流されてばかりいた20代ー水緒さんの今までの経歴が気になります。社会人スタートはWEB関連ではなかったようですね。20代前半は、特にやりたいこともなく、フラフラとフリーターをしていました。特にこれといったスキルもなく、これがしたいと思えるものも情熱もなかったんです。実はお酒が好きということ、また居心地が良いという理由で地元のスナックで働いていたこともあるんですよ。 でもOLという存在がとてもキラキラして見えたりして、そんな憧れが背中を押して、会計事務所で事務職をしてみたり。別に数字が好きでもなんでもなかったので、1年くらいしか続かなかったんですけどね(笑)。そんな生活を続け、24歳で今の夫に出会い結婚し、25歳で第一子を出産しました。その後28歳で子どもを預けて働き始めようと思いましたが、これからどうしようかなと漠然と考えても、キャリアに後ろめたい気持ちがありましたね。今までの仕事で身に付いたスキルがなかったので。恥ずかしい話ですが、本当に流されて生きていたなぁと。将来を深く考えることが怖くて逃げていたんだと思います。ーご自身のキャリアに向き合い始めたきっかけは何でしょうか?29歳のとき、当時事務で働いていた小さな会社が事業縮小で辞めることになり、次に何をしようかと考えていて。そのとき友人にスーパーのパートに誘われ、なんとなく面接に受かって、働くつもりだったんです。でもスーパーの社風が合わず、結局辞退することに。運命の別れ道の瞬間マンガ それまで将来のことを考えるのが不安でいつも先延ばしにしていたのですが、このままじゃダメだな、と思いました。その頃から「私が本当にやりたいことは何だろう」とやっと真剣に考えるようになりました。ー30代を目前にやりたいことに向き合った結果「これだ!」というものに出会えましたか?今となっては年齢は関係ないと思えるようになりましたが、当時29歳だった私は最後のチャンスをモノにしなくては!とキャリアについて真剣に悩みました。その時たまたま興味を持ったのが、Webデザイナーだったんです。何か自分の武器になるものを身につけなければ変われないと思いチャレンジしました。今までずっと自分に自信がなくて、学歴もスキルもないことで、劣等感を感じていたんです。 WEBデザインの講座に通って学び直し、スキルを身につければ自分に自信が持てるんじゃないか、今までの流されてばかりの自分から変われるんじゃないか?と淡い期待を胸に講座に申し込みました。Webデザインスクールに通っていたころー講座に通い出してから、自分との向き合い方や将来への考え方は変わりましたか?そうですね、20代の頃は傷つくのを恐れて何も行動しないまま問題を先送りにしていました。でも講座に通うようになってだんだんスキルが身に付き、それを周りに認めてもらうことで、少しづつ自分に自信が持てるようになったんです。そこからもっと自分の可能性を広げたいと思えるようになりましたね。そのために新しいことに挑戦したり、積極的に行動することができるようになりました。同時に、将来への考え方もすごく変わりました。20代のころは未来を考えると不安ばかりでしたが、今は、多分なんとかなるだろうと楽観的に考えられます。デザインスキルがあるからではなく、これからも何かに挑戦することを恐れない自分を手に入れたからです。スキルを持っていざWEBデザイナーとして大企業に就職ーWEBデザインの講座を受講し終えてからのキャリアについて教えてください。講座を学び終えてからはGaiaxという会社に雇って頂き、5年近く働きました。少しずつ仕事ができるようになり、ディレクションや運用などの仕事の幅が増えました。当時はデザインをもっとやりたいと葛藤することもありましたが、デザイン以外の経験は独立してからものすごく役に立っています。 実は最近、スナック時代のコミュニケーションスキルもすごく役に立っていると感じていて。人生学んだことに無駄なことはないんだなと感じています。ーそうなんですね。フリーランスという働き方に転身したきっかけは何かありましたか?前職場の本社移転と自宅購入のタイミングが重なって、通勤時間が大幅に増えることになったので、働き方を業務委託に切り替えフリーランスになることにしました。最初はやっていけるか不安でしたが、同僚達が転職した先で仕事を発注してくれたり、徐々に紹介で仕事が増えています。 現在はHP作成を中心に、名刺やフライヤーなどのデザインや、スタートアップのブランディングなども行っています。(左)最近リリースしたレストランサイト・(右)現在制作中の自社サイトー水緒さんは本業のデザイン以外のことも手掛けていますよね?どこで情報を仕入れたりしているのでしょうか?本業以外にオンラインサロンに入ったり、新しい情報を仕入れるために勢力的に活動しています。普段会えない人に出会って、最近自分の価値観がだいぶ変わったと感じていますね。周囲には自己投資を惜しまず、隙あらば興味のあることに挑戦している人がたくさんいて。どこからこんなエネルギーが湧いてくるんだろう?と驚きましたし、気付けば私も触発されてスキマ時間もオンラインサロンで派生した活動に精を出していました。ー特に注力している活動は何ですか?オンラインサロンのメンバーは世代も職業ももちろんバラバラでしたが、特にママ達のエネルギー量がすごいなと感じていたんです。ママ達はエネルギーが有り余っているように感じましたし、何か一緒にやったら楽しそうだなと漠然と考えていました。私がオンラインサロンメンバーに還元できることって何だろう?と考えた時に、私にはWEBしかないと思い「ママリアル」とうメディアを思い切って立ち上げました。こちらはオンラインでの交流メインなので、今年からはリアルに会えるオフ会を月1で開催したり、メンバーの好きや得意を活かしてプチ勉強会を開催していきたいです。ー現在、起業されていますがきっかけは何かあったのでしょうか?今まで行き当たりばったりの人生でしたが、歳を重ねるにつれて他にもやってみたいことがたくさん増えてきたんです。興味の幅が年々広がっているのを感じていて。漠然といつからか「起業したい」と思うようになっていたんです。そんな気持ちも相まって「いずれ起業するなら35歳のうちに!」と思い、昨年勢いで起業しました。「よくそんな大きなチャレンジができるね」なんて言われることもありますが、あまり失敗したときのことは考えていないんです(笑)そもそも失敗の定義って何でしょう?思った結果にならなかったとしても、必ず自分は成長できる。そう思うとワクワクすることにチャレンジせずにはいられないですね。20代の頃の自分が今の私を見たら本当に驚くと思いますが。まずは好きなことを追いかけてみて欲しいー最後に【Molecule(マレキュール)】読者にメッセージをお願いします。30代でもスキルがなくてもやりたいことはできる!何かを始めるのに遅すぎることはない!今はそんな気持ちで駆け抜ける毎日です。今後はデザインのキャリアを活かして、講師業をやってみたいという夢があります。スキルを教えるのはもちろんですが、何より楽しいという気持ちを届ける講座にしたいですね。キラキラした経歴ではない私だからこそ、同じようにキャリアやスキルで自信がない人たちの背中を押すことができたらいいな、と。みんなスキルがない、特技がないとよく言いますが、気付いていないだけで私から見ると素敵な特技を持っている方が世の中多いですよね。好きなことを追いかけて笑顔になれる人を増やしていきたいです。