シリーズ連載:自分軸で生きると決めた、わたしたち「なんとなく育休をなくそう」をテーマに2018年に立ち上がったコミュニティ「MIRAIS」による連載です。バリバリ働いていた中で、突如育休で全てがリセットされたような感覚になり、何をすればいいのかわからぬまま、何となく育休期間を過ごして職場復帰する。そんなモヤモヤ体験をMolecule(マレキュール)読者の皆さんも記憶にありませんか?連載のテーマ「自分軸で生きると決めた、わたしたち」では、MIRAISでの活動を通して、育休前後に自分軸を見つけた女性たちが自らの言葉でその変遷を寄稿します。今回の執筆者兵庫県出身、栃木県在住。第一子女児の育休中にMIRAISに参加。実家から離れた地でも関西への愛着を忘れず、関西弁で話すことがポリシー。2019年10月の復職を控え、家事の効率化と便利家電の購入を検討中。ワーママの味方だと言われているホットクックかヘルシオどちらにしようか悩み中。現在の目標は子連れ海外旅行を実現させることです。不安感を抱えながらスタートした育休「子どもと過ごす時間は楽しい、けれどそれだけでは何だか物足りない…」 じゃあ何がしたいの?どうなりたいの?人に聞かれても即答できない、モヤモヤの中にいた私は2018年、なんとかこの闇から抜け出そうとMIRAIS加入を決めました。モヤモヤは気持ちを後ろ向きにしてしまい、気づけば生後間もない娘と家に2人きりで過ごすだけの毎日。外出は徒歩5分のスーパーか小児科だけ。あぁ、今日はレジを打ってくれた女性と一言だけしか話さなかったな。そんな状態で数か月を過ごしました。出産前は、どちらかというとアグレッシブな方で、新しい世界へ飛び込むにも物怖じしないタイプでした。初対面の人だらけでもガンガン話すし、思い立ったその週末に一人旅決行するぐらいフットワークも軽かったはずなのに…限りある育休期間、子育てのためのピリオドだとは分かっていても、出産以前の会社員生活とはかけ離れ、社会から切り離されてしまったような不安感がモヤモヤの一因で、悲観的になっていた。育休を終えようとしている今、振り返ってみればそのように思います。「練習場」で得た仲間と気づきコミュニティでは広報チームに参加、5人のチームでリーダーを務めました。 広報を選んだのは外部の方にMIRAISを宣伝できるぐらい、自らコミュニティの価値を見出し楽しみたかったから。リーダーに立候補したのは、役目を得ることでより能動的に活動できると考えたからです。勢いで決めましたが、「MIRAISは練習場」なので、失敗してもいいやと思いながら活動をスタートしました。 チームが発足して半月ほどした頃、日経新聞社からの取材機会を頂きました。普段はオンラインで行う「育休テーマ発表会」をオフラインで開催し、記者の方にMIRAISの活動をより深く理解して頂けるイベントを企画しました。 オンライン会議は2回ほど、あとはメッセンジャーのやり取りで準備完了。立ち上げから開催まで1ヶ月とありませんでした。かなりのスピードと集中力で乗り切り、イベント終了後には満ち満ちた充実感を味わうことができました。この企画中、リーダーとして心がけたのは、画面の向こうにいるメンバーの生活の様子を確認しながら業務を分担すること。赤ちゃんと生活していると自分軸だけでは作業できず、まとまった時間を取ることも難しいと実感していたからです。無理のない量、期間で各自ができることを考えて会場選定、コンテンツ作成等、各自の得意分野を活かし協力しながら取り組むことができました。同じ境遇にあるメンバーだからこそ、互いに気遣いながら作業できたと思っています。自分の担当パートも、子どもの調子次第で時には手放すしかなくなってしまい、「ごめん、これお願いできる?」と声をあげてみたら「こっち今大丈夫だから、やっておくよ!」とメンバーにサポートしてもらうこともありました。産前の私自身はどんなだったかというと、職場は国際物流企業で輸出に関わるカスタマーサービスをしており、各人が月間で100件ほどの案件を抱えるような多忙な所属チームのチーフという立場にありました。 が、当時はメンバーに仕事を割り振るにも、どこか遠慮がちにしか依頼できず、結局は自分が一番遅い時間までオフィスにいるようなリーダーでした。すると、自分のキャパシティがいっぱいになって、チームメンバーを見渡す余裕はほとんど無かったのです。これまでチームワーキングにおいて担当パートを自ら責任をもって果たすことが何よりも大事だ!とばかり考えていましたが、MIRAIS広報チームにおいて、時には信頼のおける仲間に業務を任せられれば、リーダーとして気持ちにゆとりを持てると学びました。お願いすることで相手への信用度もますます高まったように思います。これは、復職後の職場でも是非活用したい点で、子どもの都合で思うように仕事を進められないことがあるかもしれない。逆も然りなので私自身も信頼してもらえるチームメンバーであることを念頭に、家庭と仕事の両立を目指したいと思います。モヤモヤを晴らすきっかけをくれたMIRAISMIRAISでの活動スタート間もないタイミングでイベント企画に携わり、チームの仲間とのディスカッション、運営に協力してくれた他メンバーとの調整等、思考を巡らせながら日々を過ごすうちに、気持ちを前向きに持ち直すことができ、自分の中の細胞が呼び起されるような感覚を得ました。これまでママ友と呼べるような知り合いはおらず、近所での繋がりが皆無だったのに、地域のイベントや子育て支援センターに出向くようになり、今では家族ぐるみでバーベキューに出かけたり、週7日(毎日ですね)会うような友人と子どもの寝かしつけ後に近所のちょっとおしゃれなレストランへ食事に行ったりするようになりました。(互いの夫がお留守番をしてくれます)私が学生時代から大切にしていたモットーは「やってみなければ分からない」でした。就職してからも海外駐在する等チャレンジングな会社生活を送っていました。ところが、出産後にライフスタイルが変わってしまったからという理由で挑戦することを止めてしまっていたのです。 MIRAISに入って、チームに所属し、仲間を得たことで今後の社会人生活を前向きに過ごすためのヒントを得ることができました。MIRAISでのオンラインでの仲間との交流が、オフラインでの生活もポジティブにさせてくれました。 復職すると、家庭と仕事の両立で悩むこともあるでしょうが、「やってみなければ分からない」精神で乗り切れたらいいな、と思っています。MIRAISは私自身がモヤモヤを払拭するためのきっかけを与えてくれた存在です。 こちらの記事もどうぞ!「あの日の自分と未来の自分が喜ぶ選択」をする |ICU看護師・中原知恵さん 育休を変える、わたしが変わる VOl.1 「育休を新たなスタートラインに」社会全体の意識変革へ | 育休コミュニティ代表 栗林真由美さん