働く女性のライフスタイルは、妊娠出産を経ることで大きく変わります。ライフスタイルは変わるのに、なぜ仕事の仕方は変わらないのでしょうか?働き方を変えたい、でも仕事のやりがいは捨てがたい。そんな悩める【Molecule(マレキュール)】世代の皆さんへ。これからは変化の時代、今までにはなかった仕事を「作る」ことだってできるはずです。今日は私・櫻井の体験から「自分だけの仕事」を見つけることについて、書かせてもらいます。ライフスタイルの変化が前提になっていない働き方【Molecule(マレキュール)】読者のみなさんの仕事のスタイルはどのように変わってきましたか?社会人になる20歳前後の毎日と、10年後、20年後、30年後の毎日の過ごし方は違う人がほとんど。仕事に充てられる時間もその時のライフスタイルや家族の環境によって違うので、仕事の取り組み方にも変化があるのが自然なはずです。でも、実際にはその変化に自分自身が追いついていけないケースがまだまだ多いのではないでしょうか? ワーキングマザーの場合、産前産後で同じ労働時間を継続するのは難しいため、時短にして同じ職場で働き続ける女性も多いと思います。でも仕事内容は、今までとは違うものを割り振られてモヤモヤしている、そんな声を周りのママたちから聞くことがあります。 労働時間は変えることができても、やりがいが少なくなっている状態です。女性の場合、妊娠出産という命がけのライフイベントと前後して、働けなくなる期間や時期があるということを、社会全体としては、 まだまだ受け入れる風土が整っていないように思えてなりません。女性は家にいて男性が働く、といった価値観が根付いていた「昭和世代」の名残なのでしょうか。やりがいはそのままに、もっと今のライフスタイルに即した働き方があればいいのに、と私はずっと思ってきました。自分のペースでやりがいのある仕事をしたい妊娠中に前職を退職した私は、出産後は仕事に就いていない状態。子どもと毎日家で過ごす生活の中で、私は社会との断絶を感じていました。そんな中、自然と「仕事がしたい」という気持ちがわき起こったのです。それは不思議な体験でした。あんなに面倒くさいと思っていた仕事をやりたいと思うなんて!でも、その仕事がしたい、という感情は朝から晩まで独身時代のように働くこととは違いました。子どもがいて現実的に難しいし、出来たとしてもその働き方を望んでいたわけではなかったのです。出産を経て生活が変わり、同じように仕事に対する価値観も変わっていきました。今しかない子どもの成長を見たい、という気持ち。社会とつながっていたい、という気持ち。やりがいのある仕事をしたい、という気持ち。生活をするためにお金は必要だけれど、それだけではなく、自分の役割を果たしながら、社会とつながる手段として、仕事に向き合うようになったのです。 子どもとの生活も楽しみながら、自分のペースで仕事ができて、やりがいも感じられる仕事。そんなわがままな条件は、もちろん求人には出ているはずがありません。そこで思い立ったのでが、あるものから選ぶのではなく、作ればいいんじゃないか!ということでした。 仕事は「選ぶ」だけじゃない。 仕事は誰かが与えてくれるもの、その中から「選ぶ」ことを私たちはまず最初に考えます。大学卒業時の新卒一括採用、就職活動なんて、まさにそうですね。 企業に就職する、どこかに雇ってもらう。そのスタイルも個人ではできない規模の仕事に取り組める素晴らしい仕事の仕方の一つだと思います。でも、その選択肢だけがすべてではありません。そこに自分が希望するものが必ずしもあるわけではありません。実際に労働時間、労働スタイル、給料、やりがいのバランスを考えた時、私の希望するものはそこにはありませんでした。 そこで考えたのが、仕事を「作る」という選択でした。自分だけの、自分ならではの仕事をする私はもともとヨガが好きで、スタジオに通っていました。前職の時から、資格を取りたいと考えていたので、出産を機に学校に通い資格を取得することに。資格取得後は、地域の場所を借りて、教室を開き始めました。 少しずつ通ってくださる人が増え、そこからスタジオでレッスンを持ったり、講師養成講座を担当したりと様々な仕事につながり、現在はどこにいても働けるように、というコンセプトのもと、オンラインクラスも運営しています。前回の記事で長野県への親子移住について書きましたが、変わっていくライフスタイルに対応できるように、どこに住んでいても、どこで過ごしていても、自分の仕事ができるように、場所を選ばないでできるものをコツコツ構築しているところです。すべて自分でやる必要があるし、収入も変動があるし、大変なこともたくさんあるけれど、それもそれで楽しんでいます。それがお客様の笑顔や、誰かの役に立つことなど、様々な結果として現れた時に、何にも代えがたい喜びを感じるからです。前職の時には、絶対にこれはない!と思っていることを上司の指示でやらなくてはならない場面がありました。組織に属している以上、上が決めたことは従わなくてはいけないことだってあるものです。自分の意志や自分の考えは、そこには一切必要ないように感じました。一方、今の仕事は自分のライフスタイルに合わせてスケジュールを決め、自分の納得したことを自分のやり方で一生懸命やり、それが少しかもしれないけれど誰かの役に立つ。私はそれがとても自分らしい、自分だけの仕事だと感じています。自分の役割を果たす、人に必要とされ、社会とつながっている、私はそれを仕事に求めていたのです。 それがどこかに所属することで実現できるのなら、そうしてもいいのです。私はそのようなちょうどいい場所がありませんでした。だから、自分で「作る」という選択をしただけなのです。自分らしく働くために、何が必要か考えよう私は自分らしく働くために、仕事を作る必要がありました。選べる選択肢の中に自分が求めるものがなく、新しいものを作る必要があったからです。みなさんは、仕事に何を求めていますか?そして、それは今の仕事から得られていますか?ライフスタイルの変化に伴い、仕事への価値観、労働時間、仕事に求めるものも変わります。今一度、自分の中で整理整頓してみると、自分が何を求めているのかが見えてくるかもしれません。そして、そのためには仕事を「選ぶ」という選択肢だけがすべてではありません。必要があれば、自分だけの仕事を「作る」ことだって、できるのです。 そうやって、今の自分にフィットするものを、その時々で選んでいくと、きっと自分のライフスタイルに合う仕事ができるはずです。子育てしながらの仕事は忙しい毎日の中、目まぐるしく過ぎていきます。でも、自分らしく、「自分の仕事」をするために、一度立ち止まって考えてみませんか?もしかしたら、新しい一歩を踏み出すタイミングかもしれません。櫻井さんの過去の記事はこちらhttps://molecule.news/stories/migration/https://molecule.news/stories/ayumi-nakanishi/