浜田渉さん 小1の娘さんと奥さんと3人暮らし 「父子を残して海外新規事業スタートアップへ?!」でご登場いただいたた浜田歩さんの記事に、大きな反響をいただき、ありがとうございます。筆者・森田亜矢子も、本業外活動を定期的に取り入れていくという浜田スタイルを、早速パクらせていただいております!本業の仕事にも活きる学びが得られて、本当に良いです。 さてさて。しかしながら、本業も本業外も、子どもを育てながらであれば家族のサポートはMUSTですよね。前回お伝えした通り、父子のワンオペもいとわず浜田さんを海外に送り出してくれる旦那様。「一体どんな方なの?」という興味が止まらず、この度、続編として旦那様にも取材させていただきました!「父親だから」「母親だから」って、『親業』に性差は必要?先日、学童の保護者会に参加された渉さん。学童は共働き世帯が多いからか、意外とパパ率は高かったそうです 「妻が単身で渡米する話を聞いた時、すごいなぁ!!と、応援したい気持ちだけでした。妻も一人の人間として、自分の人生を自分らしく歩んでいって欲しいと心から思っています。」 妻・歩さんは、就活の最終面接の直前に長女の妊娠が発覚。「生後半年の赤ちゃんを置いて単身渡米できるなら是非来て欲しい」と内定をもらった時に、渉さんの脳裏に浮かんだのは、そんな気持ちだったそうです。その内定は、1年間のフロリダ単身赴任が前提となる就職です。パパ・渉さんにとっても初めての子育てですから、不安はもちろんあったそうですが、「応援したい」という気持ちが優ったんだとか。「妻の渡米中は、私は生まれてきた長女と一緒に彼女の実家で暮らしていました。彼女のご両親の手厚いサポートを受けることができたので、当時の不安はあまり思い出せないんです。本当に、彼女のご両親のおかげと思っていますが、今でも妻が海外に行きたいと言ったら、普通に送り出しちゃうと思います(笑)。」 現在、夫・渉さんは、家事育児の一通りをこなしていらっしゃいます。<朝のルーチン>洗濯を干す子供の小学校の準備朝ごはんを作る<夜のルーチン>食器の後片付け洗濯物が溜まったら畳む洗濯機の予約を設定お風呂を洗っておく。「洗濯機の予約」など、翌日を見越した動きができているのは、素晴らしいですね。「家事育児のお手伝い」ではなく、主体的に家事育児を行なっている様子が浮かびます。「これは僕の考えなんですが、親が担うべき役割に、父親だから・母親だからという性差は必要ないと思っています。お互いが、子どもやパートナーのことを考えて接することが大切だと感じます。実は、私には“理想の父親像”というものはありません。父親も母親も、性別は関係なく、仕事をして、家庭や家計を守るものだと思っています。そこに「父親」という性別は、要らないんじゃないかな。」なるほど。 確かに、私も「親業に性差は必要か?」と考えてみると、即答できません。必要性をロジカルに語れない…。昨今、世界中を見渡してみれば、ゲイカップルやレズビアン同士が子育てをしていることも珍しくありませんよね。むしろ、すごく楽しそうに協力し合って子育てしているようにも見えます。性差による役割分担の呪縛から、解き放たれているからなのか?親業は本来、ジェンダーレスであるべきなのか? 私は個人的に、男性の方が根強く「親業・性差前提」を持っているような気がするんです。「働いてもいいけど、家庭のことはしっかりやってね」(→どの立場からの発言なんだ!)みたいなことを、身近なママ友から聞く機会はまだまだ多いです。そんな中、夫・渉さんの物腰の柔らかい雰囲気と、とても深い思考から生まれているように感じるお話に、父親像の進化系を垣間見た心地でした。とは言え、喧嘩はあります!お互いの気持ちのぶつけ合いも大切。渉さん曰く、「喧嘩も時には必要。思っていることを相手に伝える機会ですから。妻がキーっ!となっているときは、意識して”受け役”に徹してます(笑)。」「とはいえ、日常的に喧嘩はしますよ(笑)。妻が帰国して親子3人の生活がスタートし、当時の私は夜遅くまで残業をしながら、家事も自分なりに精一杯やってるつもりだったのに、妻から「なぜあなたは普通に残業してくるのか?」とキレられ、思わず「家計の大半を支えているのは誰だと思ってるんだ!」と酷い言葉をぶつけてしまったり…。こういう喧嘩は本当に不毛ですよね。」 そういう喧嘩は、どのご家庭でも一番発生度が高い「あるあるケース」だと思います(笑)。浜田家では、どんな流れで収束させているのでしょうか。 「問題の根本は、性差ではないという前提になりますが、喧嘩の中で、何がどう不満・不快だったかを相手に伝える。伝えられた方は、その点についてはしっかり謝る…という流れですかね。不満ポイントがブレないことも、重要だと思ってます。」なるほど。なんとなく、解決方法の『型』があるって良いですね。喧嘩の多くは、「不満・不快」のぶつけ合いかもしれませんが、不満ポイントを相手に伝えることは、必要なことだと感じました。言わずに溜め込んで、あるタイミングで一気に大爆発!→次から次へと不満を吐露…のパターンは、あるあるですが収束させにくいでしょうね(苦笑)。「不満ポイントがブレない」というのは、相手に伝わりやすいでしょうし、相手も謝罪もしやすいかもしれませんね。(この喧嘩の型、ぜひパクらせてもらいたい!)子ども・仕事・家庭・・・「自分」。男性もモヤモヤするそうです現在は、アパレルメーカーで商品企画を担当されている夫・渉さん。女性も多い職場であるせいか、職場もジェンダーレスが進んでいるそう。性別に関わらず、「小さな子どもがいる社員」を、周りみんなでサポートしていくというソフト面の風土が根付いているようです。 渉さんは、現在の部署へ着任してすぐに、「お迎えの日が定期的にあるので、早く帰るときがあります。」と宣言し、子どもがいるメンバー社員も早く帰れるようなチーム体制を作っているんだとか。Molecule(マレキュール)の読者の皆さんの多くは子ども・仕事・家庭の忙しいトライアングルの中で、「自分らしさ」を模索してモヤモヤされている世代ですが、男性の方はどうなんでしょうか?「女性の皆さんは、男はモヤモヤしてなさそうに見えているかもしれませんが、男性もモヤモヤしますよ(笑)。 僕自身、自分から仕事を取ったら何が残るんだろう?と考えると、心がザワザワします。だからこそ、妻の「これがやりたい!」を応援したいと思うのかもしれません。」 そっか。男性もモヤモヤしているんですね。「正直、自分自身の幸せや人生について、明確な答えに辿り着けている人はまだまだ少ないと思います。人生100年時代と言われていますから、自分も長期的な視点を持たないといけないなという危機感だけはあります。自分にとっての幸せを考えることは、すごく哲学的なことかもしれませんが、やはりここにも男女は関係ないですよね。」自分らしい自分を見つけるのは、「幸せとは?」「人生とは?」などの問いを深めていく、極めて哲学的な作業が必要になるでしょう。これって、渉さんがおっしゃる通り、男女関係なく大変なことですね。「自分らしい人生とは?」は、多様な価値観が許容される時代へ変化したことで生まれている問いかもしれません。「僕自身、自分はちょっと変わっていると自覚しているので、僕の話が参考になるか不安です(笑)。新しい時代を生きていくために、古いものに固執してはいけないということをポリシーに、自分らしい生き方を模索していきたいと思っています。そんな風にマインドシフトできたのは、やはり子どもの誕生というきっかけが大きかったんじゃないかな。僕自身の考え方もすごく変わったと思います。」渉さんは、現在では確かに「レア・パパ」だと思います。でも、近い将来、『親業もジェンダーレスの時代になっていくのだ』という思いが確信に変わった取材でした。男だから・女だからという性差に関係なく、自分らしい人生が選択していける社会になっていくといいですね。 Molecule(マレキュール)の読者の皆さんも、自分自身の性別で自分を縛っていないかどうか、一考してみてくださいませ!