2020年4月7日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県に出されました。そして、その後全国に。Molecule(マレキュール)として、いま、この状況下で出来ることが何なのかをずっと考えてきました。そこで、最初のアクションとして、外出自粛の中で編集部の私たちがいま、家族や身近な人と共にどんな日々を送っているのか、1人1人のスタンスも含めて記事を通して発信することにしました。社会の様々な情報に過度に左右されすぎず、今できることを家族や自分たちで実行していくことこそが、私たちのスタンスではないかと思っています。皆さんの半径5メートルの暮らし方も、この連載を通してぜひ考えるきっかけになればと思います。今回の執筆者バングラデシュと日本のハーフ、PRSJ認定PRプランナー。今はメーカーで人事戦略の仕事をしています。緊急事態宣言から、保育園児二人と在宅勤務中。最近の楽しみは、仕事前の朝の散歩です。noteはじめました!「発信で世界とつながる」をテーマに、今までの経験や身の周りで起きていることをお届けします。https://note.com/umeno_note「with子どもで働く」というマインドセット筆者提供2月末から完全在宅勤務になりました。去年から週1~2回は在宅勤務していたこともあって、調整は必要だったものの、思ったよりもスムーズに移行できました。一方、主人は在宅勤務でなかったため、家にいる自分が保育園の送迎や家事全般を一人で引き受け…3月半ばにはパンク寸前に。無理がないよう分担して、ライフスタイルを見直しました。ようやく生活と在宅勤務のバランスがとれてきた頃、緊急事態宣言が発表され…状況は一変。子どもたちも家にいることになり、初めは「仕事できるのか…」と正直、不安でした。でもいざ始めてみて、子どもがいる状況は変えられないのだから、「with子ども」の働き方・捉え方をこれまでとは変える、自分の中でのマインドセットが必要だと開き直りました。 子どもたちにも、「お家で過ごす時間が増えるから、みんなで協力しようね!」と伝え、ただお休みになったのではなく、家で仕事する時間が増えて生活のリズムが変わることを教えました。在宅勤務with子どもの工夫&オンラインになってよかったことマインドセットだけではやっていけないため、お互いストレスをためないよう工夫を始めました。1.子どもたちとの朝・夕の散歩が決め手家にいるばかりではお互いにきついので、仕事の前後に1時間は散歩する習慣をつくりました。この散歩が、自粛生活&在宅勤務の肝と言えるほど大事です。しっかり運動することで、昼寝も夜もちゃんと寝てくれます。毎日同じルートだと飽きるので、「どこに行く?」と子どもたちと相談して決めます。家の外に出た途端、「やっぱりこっち!」と言うこともありますが、それもありです(笑)。筆者提供2.ちょっとした気配りがコミュニケーションをスムーズにするオンラインでのコミュニケーションが基本になって、「相手がやりやすいコミュニケーション方法」に合わせています。例えば、オンラインミーティング中に顔を見たい・見たくないの好みは人によって分かれます。自分はどちらでも対応できるので臨機応変に。あとは、テキストのやり取りだけでなく電話でも確認したいのか、短くてもメールだけで完結したいのか。直接会えないからこそ、ちょっとした気配りでコミュニケーションがスムーズになります。3.Work with ママ(パパ) Timeを作る仕事が始まる前に、「今からお仕事だから協力してね!」と子どもたちにお願いしています。そして、お絵描きや粘土など、子どもなりのwork(遊び)をする時間を作ります。在宅あるあるでオンラインミーティングに映り込むこともありますが、親の仕事を知ってもらうよい機会だと思います。下の子はミーティングが始まると、すかさずひざの上に乗ってきてオブザーバーとして参加しています(笑)。「おみみ!」といって左耳のイヤフォンを装着し、メモを取る姿もすっかり様になってきました。筆者提供4.オンラインになってよかったこと1対1の打合せも増えましたが、オンラインだからじっくり話すことができると思います。お互い移動の必要がなく、日程調整もスムーズになったので、ワーママにはむしろありがたい変化です。あとは、オンラインイベント・講座も増えているので、参加できるときはしています。オンタイムでの参加が難しくても、後日録画を観られるものもあってうれしいですね。自粛生活でTry and Errorしてうまくいった3つのこと外出自粛の生活でも心穏やかに毎日を過ごせるよう、家族とともにTry and Errorを繰り返し工夫してきました。わが家で取り入れた3つのことを紹介します。1.子どもにも家事を手伝ってもらう、挑戦してもらう筆者提供子どもは意外とお手伝いしたがっている!と気づき、「お手伝いお願いできますかー?」と呼びかけると、駆けつけるようになりました。実は洗濯があまり好きじゃなくて(笑)、干すのは主人担当、取り込み&たたむのは子どもたちと私に。その他も、ちょっとしたお掃除や、ご飯の後片付けも、少しずつ手伝ってくれるようになりました。「ありがとう! ママ助かった!」と毎度、感謝を伝えるようにしています。それから上の子は料理が好きなので、普段より少しハードルのあることに挑戦。毎週日曜の朝ごはんはホットケーキと決めていて、娘は混ぜる担当でしたが、今はフライパンに乗せるところまでやってもらっています。もちろん横についてフォローは必要ですが、本人もできることが増え、満足気です。2.自然と触れ合いながら共感する筆者提供今は遠出できませんが、意外と身近な所にも自然はあるんだなって。こんな状況でも、日本には四季があって、満開だった花が散って、葉が生えて、実がなって……「木も花も一生懸命生きているんだねぇ」と、子どもと一緒に季節の移ろいを感じています。「共感が大事ですね」と保育園の先生がよくおっしゃっていて、実際にこうした時間があることで親子の絆も深まった気がします。保育園が自粛になってから、水鳥が集まる公園に行き始めました。興味津々に鳥を見たり、綿毛を飛ばしてはしゃぐ子どもたちをみて、「この場所は前から知っていたけれど、今の生活になったからこうして2人と過ごせるのかも」とふと思いました。少しだけスローモーションで子どもの成長をみている感覚で、振り返れば貴重なはずです。3.自分の気持ちを素直にノートに書いてみる筆者提供育休中に読んだ著者の本に、「そのときのポジティブな気持ちと、ネガティブな気持ちをざっと書き出してみる」とあって、それを続けています。 自分も家族も、今まで通りの日常ではなくなって、戸惑ったり不安になったりするのは自然なこと。自分の中にあるネガティブな気持ちを受け止めつつ、でも、ポジティブなことも1日の中にはきっとあるはずで。書くことで気持ちを整理する大切さを、改めて感じています。そして、主人とお互いの気持ちを素直に言い合える時間もつくるようにしています。小さくても今の自分だからできることを積み重ねる筆者提供仕事で、社内外のつながりを生み出す活動の事務局をしているのですが、2月頃から軒並みイベントは中止に。 でも、今だからこそできる取り組みもあるはず。対面で伝えられなくても、社内メルマガやイントラで、「本来の意味を見つめ直す」「今だから求められる」という視点で発信しています。そして、オンラインでできる活動を始めました。4月から社内ラジオのようなコーナーをオンラインでスタートしたところ、「こんな場がほしかった」と、思った以上に反響が。もちろん子どもが家にいるので、乱入もありますが(笑)、そこはご愛嬌ということで。新しいことにはハードルもありますが、他の人たちにも協力してもらいながら、形にしています。今思い切ってはじめたことが、アフターコロナでも生きるはずです。もう1つの祖国バングラデシュでもロックダウンが続いていると、いとこから連絡がありました。イギリス、ドイツ、韓国など海外に住む友達のことも心配です。今は“Stay home, Stay happy”と励まし合うことしかできませんが、いつかまた会える日が来ると信じています。これから先、子どもたちに今回のコロナの経験を語るとき、「我慢の日々だった」ではなくて、「あの時にいろんなことが良い方向に変わった」と言えたらと思います。人間なので毎日常にポジティブにとはいかないはずで、それもそれでよしとしてみる。一人ひとりにできることは小さいかもしれませんが、世界に平和が訪れるよう、今の自分だからできることを積み重ねたいです。関連記事https://molecule.news/stories/socialdistances-megumisasaki/https://molecule.news/stories/socialdistances-erimatsuda/https://molecule.news/stories/socialdistances-yumimorikawa/