2020年4月7日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県に出されました。そして、その後全国に。Molecule(マレキュール)として、いま、この状況下で出来ることが何なのかをずっと考えてきました。そこで、最初のアクションとして、外出自粛の中で編集部の私たちがいま、家族や身近な人と共にどんな日々を送っているのか、1人1人のスタンスも含めて記事を通して発信することにしました。社会の様々な情報に過度に左右されすぎず、今できることを家族や自分たちで実行していくことこそが、私たちのスタンスではないかと思っています。皆さんの半径5メートル以内の過ごし方も、この連載を通してぜひ考えるきっかけになればと思います。今回の執筆者人材サービス会社に勤務しながら、複業ライターとして活動開始。キャリアとパートナーシップをメインに取材執筆。パートナーシップに特化したWebメディア『すきだよ』の立ち上げ・編集長を務める。人生の野望は、ずっと仲良くいられるカップル・夫婦を増やすこと。コロナの影響でリモートワーク環境が急進筆者撮影4月7日の非常事態宣言を受けて、勤めている人材サービス会社では一斉に在宅勤務へ。会社全体では、数年前からリモートワークの仕組みづくりを進めていたものの、まだまだ「出社前提」のアナログな仕事の進め方も残っていました。最初は、やはりチーム全体に「直接顔を見て話せないと仕事がやりづらいな……」という雰囲気が漂います。ところがいざ始めてみると、進捗共有の方法や、業務分担の再割り振りなどが、なんとスピーディーに決まっていくではありませんか。チャットで、「腰が痛い~」「オフィスでみんなに会えないの寂しい~」なんてつぶやき合って、たまのガス抜きをするのも習慣になりました。リモートワーク移行にあたっての課題を洗い出す、対策を考える、まずはやってみる、うまくいかなければ改善する。めまぐるしい状況でも、しっかりPDCAを回して一緒に仕事をできる同僚の人たちがとても心強くて、環境に恵まれているな……! と感じています。仕事に対する思い。変わったこと、変わらないこと筆者撮影 連載企画の編集も担当させてもらっています新型コロナウイルスの急襲により働き方を変化せざるを得なくなった今、なんとかやれていることに、驚きと同時に嬉しさも感じます。きっかけはネガティブな要因ですが、みんなで力を合わせて「時代に合った柔軟な働き方」を模索するワクワク感があるなあと。また、さまざまな業務調整をする中で、カスタマーやクライアントだけでなく、たくさんの社内関係者の人たちのおかげで仕事ができていたのだと実感し、改めて感謝するばかり。この気持ちは、どんなに環境が変化しても忘れずにいたいと思います。一方で、今後のキャリアについて考える時間も増えました。通勤がなくなった上、求人案件の激減に伴い勤務時間も短くなり、副業で行っているライティングや編集の仕事に、今まで以上に取り組めるように。もともと、「好きなことを思いっきりやってみたい」「本業以外にできることを増やしたい」と始めた未経験分野での副業。本業のお仕事も大好きなのですが(そして本業があるからこそ言えることだとも思いますが……)、未知の分野へのチャレンジや、好きなことでだれかの役に立てることって、心に豊かさと高揚感をもたらしてくれるんですよね。労働環境や市場が急速に変化し、ますます働き方の選択肢も増えていくでしょう。これから私は何をして、どんなバランスで働いていきたいのか、自分と改めて向き合っています。身近にできる、小さな経済支援2020年4月27日現在の『食べチョク』サイト内「コロナでお困りの野菜や肉、魚の生産者さん」トップページあらゆることが自粛モードの今、なにか自分にできること、貢献できることってなんだろう? 飲んべえな我が家(主に私)は『食べチョク』というサービスを利用してみることに。『食べチョク』とは、生産者が食材・加工品の直売所を出店できるWEBサービス。卸売業者など通常の流通ルートを介さないので、より新鮮な食材を生産者から直送してもらえる仕組みです。コロナの影響で販路が激減してしまった生産者さんも多数出店しています。 今回は、福井県の『久保田酒造』という酒蔵さんで日本酒をオーダーしてみました。うん、美味しい……! 息が詰まりがちなおこもり生活を、晩酌で潤しております。自宅で楽しめて、遠くの生産者さんの力にもなれる素敵なサービスだな~と感動しました。お肉や野菜など生鮮食品もたくさんあるので、ぜひ利用してみてください!「夫婦で在宅共働き」を最適化するためにやったこと現在、夫婦でふたり暮らしをしています。夫の会社でもほどなくして在宅勤務となり、平日の日中は家の中でそれぞれ仕事をすることになりました。ここで問題なのは、住まいが1LDKのためどうしても同じリビング内での作業になってしまうことです。 お互いの仕事に支障はないだろうか? 文字通り家庭に仕事を持ち込んでも、ふたりで快適に過ごせるだろうか? すでに「在宅共働き」を実践している夫婦にヒアリングしたところ、スムーズな運用のためにすり合わせておくとよいことが3点ありました。1. 作業環境を整えるそもそも、今までのオフィスとは明らかに違う環境で仕事をしなければならないので、そのストレスを極力減らすべきです。具体的には、長時間座っても疲れにくいデスク・チェア、PCアクセサリを装備するなど。リビングにはもともと作業用のデスクがあったので私はそこで作業することにして、ダイニングテーブルにモニタを設置し、夫用のワークスペースを急造しました。(夫は「お尻が痛い……」と言いつつ、イスに厚めのクッションを敷いてしのいでくれています……)追加でキーボードや作業用チェアも購入を検討しているところです。2. お互いの仕事スケジュールを共有する仕事中にいちばん困るのが、音声を出す必要があるWEBミーティングがかぶってしまったとき。念のため、夫が半径1.5m圏内にいても同時にミーティングできるか実験してみましたが、無謀でした……。結局、私がそそくさとベッド付近に移動するはめに(笑)。 今すぐ引っ越すわけにはいかないので、毎朝ミーティングの時間と休憩予定時間を共有して、せめて心と移動の準備をしておくようにしています。3. お互いの仕事スタイルを知る「細かい作業をしているときに妻に話しかけられて、ついイラっと来てしまった」という意見を聞き、絶対にすり合わせておかねば……! と思いました。 集中タイムはひたすらPCとにらめっこ、だけど適度に私語も欲しいタイプの私。オフィスで同僚と冗談を言い合ったり、「ちょっと聞いてよ~!」とお互いの出来事を共有したりする時間も仕事には必要だと思うんですよね。でも、社風も職種も全く違う夫がそうとは限らない。この話を共有したら、夫は「自分のスタイルがどちらかわからない」とピンと来ていなかったのですが、観察しているうちに先述の男性と同じタイプだと発覚しました。ので、仕事中どうしても話しかけたくなったときは、夫のスケジュールや様子を見極めるようにしています。(でも、頻度が高くてちょっと申し訳ないなと思っています……(笑))「おうち時間」が見直される今だからこそ、目の前の幸せや身近な人を大切にしたいコロナにまつわる辛いニュースが多いこの頃。特に気になっているのが、「コロナ離婚」や国際的な問題になっているDV増加のニュースなど、身近なパートナーや家族にまつわるトピックです。外に出られず在宅時間が増えると、生活を共にする家族と向き合わざるを得ず、関係性がよくも悪くも浮き彫りになってしまうのではないでしょうか。家族との関係維持・修復が困難な状況に置かれている方々に、安心できる居場所が一刻も早く見つかるよう願います。外出自粛モードは当面続きそうですし、私自身も仕事や日常生活の面で今後不安なことがたくさん。でも、そう悩めること自体、「自分と周りの大切な人たちが、健康で問題なくいられたら」という楽観的な前提であると気づきました。明日は自分が、大切な人たちが、どうなってしまうのかわからない。だからこそ、今感じる目の前のささいな幸せや、健康でいられることのありがたみを噛みしめて、身近な人を大切に思う気持ちを忘れたくありません。私達は今、これまでの「当たり前」や「日常」がひっくり返ってしまう、すごい時代を生きているなと思います……。不安で張りつめた糸が切れてしまわぬよう、適度な息抜きをしつつ、周りの人たちと仲良く工夫しながら乗り切っていきたいです!関連記事https://molecule.news/stories/socialdistances-megumisasaki/https://molecule.news/stories/socialdistances-erimatsuda/https://molecule.news/stories/socialdistances-yumimorikawa/