【WITHコロナ時代のライフシフト】『ミートキャリア』カウンセラーに聞くコロナ禍のキャリアとマインド

コロナによって激動の年となった2020年。発生から1年が経つ今も、見通しは不透明です。WITHコロナの時代、わたしたちは数年先に渡ってその時々の状況に合わせながら生きることを求めれるでしょう。特にマレキュール世代にとっては、自分(わたし)、家族、仕事、生活、あらゆる場面でライフシフトを続けることを意味しています。そんな中、この1年で生活の場や仕事を、自らの選択で変化させた女性たちがいます。彼女たちはコロナ禍で何を感じ、考えライフシフトしたのか―――2020年4月から身近な変化を特集した「#半径5Mの暮らし」に続き、この特集では少し長期的な目線に立って「わたしの生き方」の変化を見つめます。

今回は、育児中の方をはじめ20-40代の働く男女900名以上のキャリア支援をしてきたオンラインカウンセリングサービス会社『ミートキャリア』を取材。代表・喜多村若菜さんとキャリアサポーター(カウンセラー)・矢口茉莉子さんに、「変化と向き合いながら、キャリアにおいて今できること」について伺いました。

 

変化していく環境とどう向き合い、前を向いて進んでいけばよいのか。今、一人ひとりが直面している状況はさまざま異なると思います。ですが、世の中の動きを大局的に見て知っておくこと、キャリアの専門家からの見解・アドバイスを取り入れてみることで、きっと新たな発見につながるはずです。

リモートワークで働き方に変化が コロナ禍で多く寄せられるキャリアの悩みとは

ミートキャリア代表・喜多村若菜さん|2016年、アクセンチュア株式会社に新卒入社。その後教育系事業の立ち上げに参画し、採用や事業開発に従事。採用活動を通して「働き方の選択肢の少なさ」に疑問を持ち、2019年1月に起業。ライフステージにあったキャリア形成を支援するオンラインキャリアカウンセリングサービス「ミートキャリア」を運営。

コロナ禍でリモートワークが普及したことにより、今までのように場所や時間に制約のあった働き方が変わりつつあります。そんな中、オンラインカウンセリングを利用するユーザーから寄せられる悩みにも変化が生まれているとのこと。ミートキャリア代表・喜多村さんは、相談内容には大きく2つの傾向があると語ります。

【相談内容1】自分にとって「理想のワークライフバランス」とは?

去年4月の第一次緊急事態宣言下では、ほとんどの人が仕事をしながら在宅保育せざるを得ない状況に。ミートキャリアには、ワークライフバランスが崩れキャパオーバーでストレスを抱えてしまうという声が多く寄せられました。ところが、コロナ禍の長期化により企業側のリモートワークの体制が整いつつある第二次緊急事態宣言中は、むしろ時間に余白が生まれたと感じる人が増えてきたようです。

喜多村さん
喜多村さん
生活の中で通勤などに充てていた数時間分の「余白」が生まれ、今後の働き方を改めて考えるようになった人が増えましたね。また、その時間を使って何かしらのスキルアップや副業にチャレンジしたいという声も多くあります。

在宅勤務へのシフトにより場所の移動や制限がなくなったことで、今まで明確に分断されていた「家庭」と「仕事」の境目があいまいになってきたと感じる人も多いと言います。その中で、キャリアに対する意識の変化も生まれつつあるようです。

喜多村さん
喜多村さん
相談者の方々は、単にキャリアチェンジを検討しているだけではありません。「生活スタイルや働き方を根本から変えたい」「ワークとライフをうまくブレンドさせていきたい」など、生き方そのものを見つめ直そうという考えにシフトしてきている印象です。

【相談内容2】ひとつの収入源や会社に依存しない働き方って?

働き方を選択するにあたっては「時短かフルタイムか?」「会社員か独立か?」と、二者択一で検討することが多かったのではないでしょうか。リモートワークの普及により、ワーキングマザーが希望する条件や企業側の採用ニーズにも変化が。

喜多村さん
喜多村さん
育休中もしくは時短勤務中の人からは、「リモートワークが可能ならフルタイムで働きたい」というニーズが高まっています。 需要に比べると企業側のフルリモート採用はそこまで進んではいないものの、リモート前提で副業人材を採用する動きは増えてきました。雇用形態・場所・時間が固定化されていた働き方に、グラデーションが生まれつつあると言えます。

育児も仕事も、充実した時間を過ごしたい。そんな想いを持つ人にとって、場所や時間に縛られない柔軟な働き方の推進は喜ばしいことです。一方で、終身雇用制度が崩れつつあり、経済状況も不透明な今の世の中。今後のキャリアに不安を覚える声も聞かれるようになったそう。

喜多村さん
喜多村さん
ひとつの収入源や会社に依存するのではなく、複数の仕事を持つパラレルキャリアや、どこでも戦力となって働けるようなポータブルスキルの装着に関心が集まっています。ただ、新たなチャレンジをしたいと思ったときに「今の仕事や職場を離れても、外の世界で通用するような経験やスキルなんて持っていない」と焦りを感じる声も。「今の自分には強みがない」という不安から、一歩踏み出せずモヤモヤしてしまっている人が多いですね。

キャリアを見つめ直すために 今からできる4つのステップ

就職をすれば生涯の雇用が約束されていた時代から、どのようにキャリアを描いていくか個人にゆだねられる時代へ。不安定な環境や変化を受け入れて、人生を自らの足で歩むためには「何ができるのか」「何がしたいのか」と、自分の軸や価値観を理解することがこれまで以上に重要となってくるのではないでしょうか。

キャリアサポーターとして相談者のキャリアに伴走してきた矢口茉莉子さんに、「わたしの生き方」を見つけるためのヒントを伺いました。

キャリアサポーター・矢口茉莉子さん|20代半ばから人のキャリアに携わって7年。100回以上のキャリア講演と、100人以上の転職支援を経験。国家資格キャリアコンサルタント。プライベートでは産後の復職と同時に転職、その後「ミートキャリア」で副業を開始。夫とほぼ半々の家事育児分担をしながら、仕事も子育ても頑張る人生を楽しむ。

1.自分の「強み」を棚卸しする

まず大切なのは、「自分の強み」をきちんと言語化できるようにしておくこと。強みを認識することで、「強みを活かしてこんな仕事がしたい」「あの仕事も自分に向いているのではないか」とキャリアを描きやすくなると言います。

矢口さん
矢口さん
資格・経験・専門知識などのハードスキルを思い浮かべがちですが、コミュニケーション能力や問題解決能力など、定量的には測れないソフトスキルももちろん強みになります。ただ、「強み」は自分では当たり前にやれてしまうことなので、自覚しづらいんですよね。同僚や上司など第三者から客観的な意見をもらうことで、思わぬ自分の強みが見えてくるケースもありますよ。

2.自分の「好き」「楽しい」を分析してみる

キャリアを見つめ直すとき、スキルと同じくらい大切なのは自分の「興味関心」。モノやコトだけではなく、1人で黙々と作業しているのが好きなのか? チームで協働しながら進めるのが好きなのか? など、周りとの関わり方や行動スタイルからも考える切り口があるのだとか。

矢口さん
矢口さん
やりたいことが見つけられないと悩む相談者の方には、「仕事以外でもいいので、何をしているときが楽しいと感じますか?」とお聞きしています。キャリアとは仕事だけでなく人生そのもの。人生の中で、ときには10年以上前までさかのぼって考えてもらうこともあります。そういえばこんなことが好きだったな、と何かしら気づきがあるのではないでしょうか。

まずは自分の「好き」「楽しい」と感じる要素をかみ砕いて分析していくこと。一見仕事と関係ないように思えても、自分へのアンテナを研ぎ澄ませておくことでキャリアが拓ける可能性があります。

矢口さん
矢口さん
私自身、学生時代はダンスに打ち込んでいたんですが、仕事につながるイメージは持っていませんでした。ただ、なぜダンスが好きだったかを分解していくと、私の場合は「人前で表現するのが楽しかった」から。

その「好き」を活かして、これまでのお仕事では複数の方が集まるイベントでのキャリア講演を行うこともありました。自分の「好き」に自覚的になって行動していくと、自然とキャリアがつながっていくんですよね。

3.しがらみを手放して理想を描いてみる

自分の「得意」や「好き」に気づいても、現実世界のタスクに追われ、変化を起こすことをあきらめてしまう人もいるのではないでしょうか。理想や目的をはっきりと描くことで、未来へまっすぐに行動していけるモチベーションにつながると矢口さんは語ります。

矢口さん
矢口さん
行動を起こすことが不安な相談者の方には、「今の“しがらみ”を全て取っ払ったら、どんな姿が理想的ですか?」と投げかけています。

現状を変えるのは難しい……とあきらめるのは簡単。そんなときは、まずは自分の中の思い込みや固定観念を手放して、抽象的でもいいので自分にとっての“いちばんの理想”を思い浮かべてみる。これだけは譲れない、絶対にやりたいと思えたことなら、「どうしたら実現できるか?」と前向きな視点で考えられるようになります。

4.現実のスケジュールに落とし込む

「忙しいから新しいことを始めるなんて無理」
「私のスキルではチャレンジが難しい」

そう思い込むことで、自分自身がいちばん自分をがんじがらめにしてしまうのかもしれません。まっさらな心で望む道を見つけられれば、あとは進んでいくだけです。ですが、その際には現実とのギャップをどのように乗り越えていけばよいのでしょうか。

矢口さん
矢口さん
次のステップで、自分にとっての“理想”の抽象的な部分に具体性を持たせていくんです。カウンセリングの場では、よく「それをいつまでにやりたいですか?」と質問しています。半年後、だとまだ少しイメージがぼんやりとしているので、3ヶ月後だったら? 1ヶ月後だったら? と徐々に今の自分との距離を縮めて考えてみる。

2週間後には? という問いに答えるころには、「そこから逆算して、明日はこれをやってみよう」と何かしらのスモールアクションが見えてくるはずです。

編集後記

やろうと思えば、身の周りにはいくらでもタスクが溢れています。めまぐるしい世の中の変化に対応していくだけでも、あっという間に1日が終わっていってしまう。目の前のことに精一杯向き合うゆえに、少し長めのスパンで未来を考えるエネルギーが足りなくなってしまうこともあると思います。

キャリアサポーターの矢口さんからは、純粋にやりたいことに向かうことだけでなく、優先順位を見極める大切さも教えてもらいました。

「本当にやりたいことをあきらめないために、『私がやらなくてもいいかな』と思うことは、さっと手放すくらいの感じでいいと思います。自分が楽しいと思えることが、人生において何より大事ですから」

まだまだ大変な状況が続きますが、そんなときこそ「わたし」の軸を見つめ直すことで、未来が見えてきます。今感じている生活や価値観の変化を少し立ち止まって受け止め、自分はどうしたいのか考えるよいタイミングと言えるのかもしれません。

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https://www.meetcareer.net/